雑記 ヘッドフォンをして社交ダンスが躍れるか

今日はもっぱらネット小説で貴族令嬢ものを読んだ。

これらの作品では、99割の確率で「社交ダンス」というイベントが発生する。(厳密に言えば名前が違うのかもしれないけれど、男と女が手を取り合って、音楽に合わせて踊るという行事が開かれる)

女性のドレス姿に見惚れるとか、パートナーに積極的にアプローチするとか、社交の場を抜け出して二人きりの場を作るとか、ラブロマンスを発祥するための装置として良い役割を担ってくれる素晴らしいイベントだ。

僕にダンスの心得は無いけれど、幾度となく男女が織りなす夜のダンスシーンを閲覧した僕の頭の中は、もうすっかりダンスマスターである。

ちなみにオススメは『悪役令嬢レベル99~私は裏ボスですが魔王ではありません』(作:七夕さとり )
裏ボス設定の令嬢に転生した主人公がレベルを最大まで上げて、周りから恐れられたり普通に恋をしたりする作品。痛快で良き。

また、ネット小説を読んでいると、5話目くらいまで「このお話読みにくいなあ」と感じるのに、10話を超えたあたりで内容がすらすらと頭に入ってくるという経験を何度か感じた。

始めの内は「まあ、アマチュアが書いている物だから書き手の慣れの問題か」と思っていたのだけど、複数の作品で同じ経験をしたとき、試しに1話目を読み返すとやっぱりすらすら読めるのだ。そうして、「これは僕に原因があるのでは?」ということに思い至った。

ネット対戦ゲームで通信遅延を感じる相手と連続でマッチングしたなら自分の通信環境を確認しなければいけないし、学生から社会人と人間環境が変わっても友達が少ないなら疑うべきは社会ではなく自分の性格である。

同じように心得て、僕も作品を読むとき自分の感覚を確認していたところ「文章作品にはリズムがあるのではないか」という仮説を思いついた。

要は「その人の文章に慣れた」ということだ。Aさんが書いた文章と、Bさんが書いた文章は書く技術が違うから、読みやすさも変わる。

それは技術の面だけではなくて、言葉の使い方や文の長さ等、その文章が持つリズムがある。私には馴染みないリズムは「読みにくい」と頭が判断しているのではないか。リズムに慣れて、乗ることができるようになったとき、文章が読みやすくなるのではないか、という仮説だ。

男女が手を取り音楽に合わせてダンスを踊るように、私も文章が持つリズムに合わせてその内容を読み解く努力が必要なのではないだろうか。

例えばヘッドフォンなどを付けて「音楽(リズム)など知らない。自分のペースで躍る」という姿勢では、パートナーと呼吸を合わせることなどできますまい。

僕と文章の息があっていないなら、文章が持っているリズムを探して、合わせることに集中してみよう。そうすればもっと楽しく文章を理解できるはずだと、そんなことを思ったダンスマスターなのでした。では。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?