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天翔る龍の閃き〜AIライジング

2023年もあとわずか。皆さんの1年はどうだったでしょうか。そして到来する2024年。兎が去って龍がやってきます。12支の中で「龍」ってなんか唐突な中二感。大昔の中国人は化石竜骨や野生ワニを見て、普通に龍の存在を信じてたらしいです。ドラゴン嫌いな人なんていません(断言)。

さて2023年を振り返って、今年も戦争やらなんやら色々ありましたが、僕個人的に真っ先に思い浮かぶのはやはり「AI大爆発」でしょうか。たしか去年の振り返りでもAIの話してましたが。去年末に登場して世界を震撼させたChatGPT、あれから1年、あらゆる分野に侵食し、ものすごい速度で成長しました。LLMと知性の検証AI絵師議論みたいのも生まれて、「人間とは」とか「幸福とは」みたいな哲学的領域にまで波及しましたね。GPT以外のAIも続々追随してカンブリア爆発みたいな様相を呈してきました。ネット出現やスマホ出現の時を彷彿とさせます。ついこないだも「サムアルトマン追放騒動」やら「Google Gemini爆誕」など、依然としてホットトピックです。「いよいよホワイトカラー全員失職か」みたいな不穏な空気も薄っすら漂わせつつ、しかし誰にも止められない。この流れは来年も続きます。


AIクリエイティブ

クオリティ爆上がりしてる割に、AI絵師は思った程飛躍しませんでしたね。絵を全く描かない人にとって、タイピングだけでハイエンド絵が完成して大感動ってのは理解できます。絵描きの立場で言えば、楽しいところ全部他人にやらせて何がしたいのって感じですが、これも「結果だけ即ゲットで早くチヤホヤされたい」という、なろう民タイパ民の乞食時代性。たしかにちょっとした挿絵程度であればマジで発注不要になってしまいました。いらすと屋すらも不要になって、底辺絵描きのプチ収入源は消滅しました。僕のクライアントでも、発注書のムードボードにAI絵を作って送ってくる人もいます(意外とわかり易くて使える)。お互い順応しちゃうもんですねえ。

更に今年は派生系AIも大盛り上がりで、「ラクガキからイラスト作成」とか「作成したイラストをアニメーション」とか、次から次へと生成AIが登場。アドビの新機能発表とか見てると、思いっきり自分の首絞めてってる感じでハラハラします。もはやフォトショ自体いる?みたいな「これもうクリエイターどうすんの」感がすごい。加えて言えば、顔合成+音声合成+言語翻訳がリアルタイムでできるようになり、それらの読み上げ動画自動無限生成など、ディープフェイク系の情報拡散の方が深刻にヤバそう。マルチ大歓喜。もう何も信じられない。

とはいえ、AI絵でも早くもコモディティ化が起きていて、関心が薄れている感じもあります。AI生成物ってのはビッグデータの上澄平均値な訳で、既存物の合成なので、どれも見た事あるような生成になりがちで、オリジナリティや新しさを求めるのが難しい。量産型整形美人みたいな。「AI絵師=割れ厨」認定もなされたり、いずれすぐに呪文すら不要になって、ほとんどのAI絵師は絶滅します。「無料で誰でも作れる」という事は「市場価値がほぼゼロ」という事でもあります。誰でも作れるものに金出す人はいない。それを使った商品に特別な魅力や価値を感じるのも難しい。結局上手い下手より「誰が作ったか」や「どんな個性があるか」という基本の価値基準に戻ってきます。そのためにクリエイターは「AIにできない事」をやるだけであり、「AIはクリエイティブツールのひとつ」というところに落ち着くような気がします。たった1年なのに、マジで進展が早い早い。短けえ夢だったなAI絵師。

今年のAI

さてみなさんはChatGPT使ってますか?僕の周りでも「仕事でめっちゃ使ってるよ」的な事を言う人が結構います。で「何に使ってるの?」と聞くと「検索とかメール文書作成とか」的な答えで「あぁ…」みたいなリアクションまでがワンセット。まあマクロどころか、エクセル自体もうすぐ不要になりそうな勢いだし、そうなったらマジで事務職も終わりだし。エンジニアの人は「コード書かせて、細部だけ自分で修正して時短」とかやってるみたいです。かつて翻訳家がやってた手法ですね。GPTのモバイルAPPは既に音声対応していて、普通にGPT同士で禅問答できるくらいのレベルになってます。アレクサ〜とかやってたのがもう懐かしい。

そんなに進歩してるのにも関わらず、どうにもコレジャナイ感。いや順調に既定路線を進んでるし、ダメって訳じゃないんですが、たとえマルチモーダル対応したとて、まだ僕を認識していないし、会話経緯もすぐ忘れちゃう。現時点ではまだインターフェースの域を出ておらず全然物足りない。お前の力はそんな程度じゃないだろうと。

個人的には、GPTみたいなLLMの真価は「予測モデル」であり、それを活かす分野は「マッチング」であると思っています。ビッグデータを総当たり検証して、近似ベクトル同士のマッチ予測する、それがLLMの仕組みですが、それを応用すれば、「売りたい買いたい」「出会いたい」「働きたい雇いたい」などのあらゆるマッチングを予測できます。もはやGoogle検索さえ不要になって毎日コードレッド。そしてそれを可能にするためには、マッチングの基となる情報、自分自身についてのあらゆる情報をデータ化しておく必要があります。

来年のAI

結局僕がAIに望む事って「パーソナルアシスタント」な訳です。パソコンやスマホ同様、パーソナライズドでなければ正直役に立ちません。そしてそのためには僕個人に特化した記憶機構が必要です。僕のあらゆるパーソナルデータを網羅した上で、ビッグデータの中から僕に最適なマッチングを探し出す。こっちから探す必要もなく、最適なものを予測提示してくれるアシスタント。自分のフィジカル&ヘルスデータ、キャリア&ファイナンス、嗜好性やパブリックデータ、AIとの会話や経緯コンテクストも記憶していて、好みのインターフェースで対応してくれる。僕について全て知ってる。世界中の情報も知ってる。それらを賢くマッチできる。そういうAIの登場を心待ちにしているのです。現時点でそこに最も近いと思われるのは、Gemini+AndroidかGPT+WindowsMobileか。アップルは今後AI参入巻き返しできるのか。SuperSiriとか。

しかしこの世の中には、何かというと「個人情報ガ〜」とか騒ぎ出す自意識過剰で不安症な人達がいます。全くナンセンスです。僕らみたいなパンピーの個人情報にどんだけの価値があるというのか(自虐)。たとえそれが漏れたところで、被る被害なんてスパムメールが増える程度です。「いきなり全財産抜き取られて保証も無しで破滅」みたいな話(中露以外では)聞いた事もないです。というか、みんなもう既に膨大な個人情報をGAFAM経由で垂れ流してる訳ですが、何を今更って話です。Googleナビだって、キラキラインスタだって、アマゾンウィッシュリストだって、ネトフリ視聴履歴だって、全部個人情報ですよ。Tiktokのサジェストが優秀なのは、「フォロー対象」や「Like」や「視聴秒数」という嗜好情報を与えているからです。時には僕自身も気付いていない「僕が好きな動画」まで勧めてきたり。ショート動画に関しては地球上の誰より僕の嗜好を知ってると言えます。(ちなみに広告モデルではスポンサー広告優先になり、それがノイズとなってサジェスト精度は著しく低下します。結局資本家が札束で叩く構造になりサービス終了。精度を保つために、インフラとしてGPTみたいにサブスク化するか、1取り引き1円みたいな手数料制にシフトしていくんじゃないでしょうか。)

やろうと思えば、それらの公開パブリックデータだけで個人特定して、居住エリアや職業、嗜好、交友関係や所得水準、支持政党まですぐに算出できてしまいます。じゃあどうしてやらないかというと、僕らみたいなモブキャラの個人情報なんて、メタデータとして以外に大した価値が無いからです。自意識過剰です。みんなネット銀行やアップルペイだって普通に使ってますよね?なのにマイナンバーカードは不安とか意味不明です。情報は情報でしかなく、管理運用の問題でしかない。さっさとマイナカードに全統合しちゃえばいいんです。DXで合理化ってそういう事でしょうに。統合情報化ってメリットしかない。ついでにベーシックインカムもよろしく。

僕は一刻も早く僕自身に関わる全情報をデータ化したいです。フィジカル情報でピッタリサイズの衣料品マッチして欲しい。アップルウォッチのヘルス情報で病院とかジムをマッチして欲しい。所得情報で節税マッチして欲しい。好みの相手とマッチして欲しい。ウマいクライアントとマッチして欲しい。僕のコミックを好きそうな顧客とマッチして欲しい。思想の近い選挙候補とマッチして欲しい。国民メタデータを民意として国家運営に反映して欲しい。それらをアニメキャラ風のAIに統合アシストして欲しい。なんなら先方のアシスタントと話まとめて、結果だけ持ってきて欲しい。そういうのが来年欲しい。技術的にはとっくに可能なのに、毎度のごとく保守と金儲けが足を引っ張る。どうせ遅かれ早かれそうなる既定路線で、保守に勝ち筋なんてないんだから、観念してさっさと進めりゃあいいのに。

ちなみに「保守」って要するに慎重派で、つまり心配性、臆病な怖がりです。遺伝的にセロトニントランスポーターが少ない、日本人の殆どが該当するタイプです。一方、僕みたいな「革新」派は、トキソプラズマに感染してるらしいです。都市伝説レベルですが、猫科動物を終宿主とする寄生菌で、感染すると向こう見ずな性格になるんだとか。でも集団の生存に有利だからどっちも生き残ってる訳で、これもまあ多様性です(何の話なの)。

再来年のAI

パーソナルアシスタントによる完璧マッチ完璧サジェストが実現すると、GAFAMのようなプラットフォーム広告ビジネスモデルは窮地に立たされます。シリコンバレー帝国30年の栄華の黄昏の始まりです。古き王たちは、自ら生み出したAI王子に殺されるのです。そうはさせまいと既得権益保守に回る王たち、しかし新世代から老害扱いされウザがられてしまいます。それは300年続いた資本主義世界すらも揺るがしかねない、人類AI時代の到来です。そういうのが再来年欲しい。再来年といえば2025年な訳で、シンギュラリティ秒読み開始のタイミングですよ。僕は「AIが意識を持つか」は割とどうでもいいんですが、持ったら面白そうだとは思うし、それによって人間や人間社会がどうなるかの方に俄然興味あります。AIはさっさと人間の知能を超えて、人間をいい感じにケアして欲しいもんです。そうなってくると、社会再構築とか宇宙開発とかじゃんじゃん楽しい事が起きそうな予感。僕がジジイになってボケ散らかす前に到達してほしい。

まとめ

まあそんな調子で、今年もどうにか妄想の中で生き延びました。来年もたぶんそんな調子。AIは2024年もライジングを継続し、天翔る龍が如く飛躍していくのでしょう。僕はもう見上げる事しかできないレベルですが、龍神様が僕らを幸せにしてくれる事を祈るばかり。ドラゴン嫌いな人なんていません。飛天御剣流奥義・天翔龍閃って、中二史上最高の技名だと思ってます。

みなさんも良いお年をお迎えください。


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いつの世も、アーティストという職業はファンやパトロンのサポートがなければ食っていけない茨道〜✨