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アニメがANIMEになった時代

宣伝です。僕も参加させてもらったMeta+CoiLerayコラボのアニメクリップがローンチになったから見て。

Z世代アイドルのCoi Leray。人種もジェンダーも当たり前のように縦横無尽する、いかにも今風なアイコン。エロワル系ヒップホップ、今回の曲もTechnotronicのカバーですよ。80年代ディスコシーン…。おっさんは若干赤面しちゃう感じですが、シティポップよろしく新世代は自由やなあ。そしてそんな新世代はナチュラルにANIMEをも取り込んでいくのです。

Facebookに見向きもしないZ世代への、Metaからの熱いラブコールですが、このクリップも主戦場はインスタやTiktokになるでしょうね。直前に「スレッズ」をローンチして、Twitter方面も取りに行こうとしているMeta。SNSを完全制覇して、来たるメタヴァース・リベンジへと繋げるのか。まあSNS市場はYoutube独壇場だし、今後AIの動向も先が読めないので、まだまだ何がどうなるかわかりませんが、とりあえずがんばれMeta。


Z-ANIME世代

さて、欧米のZ世代において、「MANGA」が一ジャンルとして定着してるのと同様、今やアニメも「ANIME」というジャンルとして一般的に定着しています。そもそも「Animation」が英語な訳ですが、略して「アニメ」言い出したのは日本人です。それが逆輸入で「ANIME」になった訳です。ディズニーなんかのCartoonやAnimationとは若干違った、日本由来のデフォルメ2D手書きスタイルのテイストを強く持った作品群を指しますが、明確な区分けや定義がある訳ではないようです。

非英語圏では70-80年代にも日本アニメブームがあったし、AKIRAやGITSみたいな単発ヒットはありましたが、00年代頃からはネット配信や海賊配信などにより、ワンピ、ナルト、ブリーチ辺りで人気爆発、ポケモンやジブリも浸透し始めて、欧米英語圏の若年層にも一気にアニメが広がりました。昔は「異常にデカい目がキモい」とか「ロリエロがキモい」とか「青目金髪の日本人設定キモい」とか、まー散々言われてたもんですが、ようやく世界が追いついて、日本独特の変態的表現を受け入れる土壌が海外にもできてきた訳です。オタクは国境を越える。ディズニー・マーヴェルがリッチコンテンツに向かう中、日本のサブカルコンテンツは今や北米のコミックシーンも席巻し、コミコンでも日本アニキャラだらけです。となれば天下のMetaとて意識せざるを得ない。

クリエイター側も、その影響下で育った世代が増えていて、ANIMEは再び海外で混じり合い、それぞれ次世代への独自ハイブリッド進化を始めています。海外発のANIMEも増えてきており、今回のクリップを作ったアニメーター達も、欧米各国からの混合チームでした。作画レベル普通に高けえ。動画はベクター処理だし、カメラは3D処理だし、リモート進行だし、プロダクションにもどんどんテックが入ってますねー。まあちょっとしたアニメなら個人がiPadでちゃちゃっと作れちゃうご時世です。僕的には撮影処理がもう一歩な印象。AfterEffects職人はまだ足りてないのか。まあ僕は専門アニメーターではないし、これまでゲーム関係のショートクリップしかやった事なかったので、今回の仕事はなかなか刺激的でした。

それでもアニメ世代

ANIMEもいいですが、やはり僕はどこまでいってもアニメファンです。アニメには、日本で積み上げられてきた独特の感性と表現があり、その文脈上の技術作法があります。僕は昭和生まれのジジイですが、アニメと共に生きてきて、ゲームの世界でアニメスタイルの絵描きとしてやってきました。たとえZ-ANIME世代であっても、おいそれとは真似できない日本伝統職人技能の継承者なのです(畏れ知らず発言)。それを自覚的にやってきたし、それを日本の外で、現地のタブーを避けつつやってきた訳です。

日本のアニメは、そのタブーをちょいちょい踏んでしまいます。これは昔からある問題ではありますが、それは日本人が(良くも悪くも)グローバルメンタリティを持っていない事に起因します。まずはやっぱりエロ関係。国を問わずエロコンテンツは大人気だし、巨乳やパンチラでオーディエンスを引っ張ろうとするテクニックは昭和からの鉄板ですが、子供向けコンテンツでの露骨なエロアピールはどんどん難しくなっています。人種やジェンダーや宗教差別関係もものすごくセンシティブで、扱いを間違えると大炎上します。そしてペド系は一発アウトの絶対NG、「幼女萌え〜」とかやってると問答無用で即死+永久追放です。この辺のタブーはもう理屈以前の嫌悪感で、冗談にならないレベルで本当の本気でドン引きされるので、世界基準コンテンツ作りたい人はマジで肝に銘じた方がいいです。「メイドインアビス」とか「君の名は」ですら、見てるともうハラハラします(いや作品としては好きなんですけどね)。

ただ、顧客のタブーさえ回避すれば、僕が愛する日本アニメはやはりぶっちぎりの最強コンテンツです。アメコミがどうの、ウェブトゥーンがどうの、バンドデシネがどうのと言っても、はっきり言って日本漫画・アニメの敵じゃない。自由な発想も、細か過ぎる設定も、多様な表現も、もう圧倒的過ぎて他の追随を許しません。たとえどんなに頭おかしい変態系だろうが、クリエイターはマーケットに媚びる事なくガンガン我が道を行けばいいし、ファンはそれを楽しみながら育成すればいいのです。そんなもの創造できるのは世界中で日本人だけなんだから。

未来のアニメ世代

日本のクリエイターとオーディエンスは圧倒的、じゃあ日本アニメの弱点はというと、これはもう「ビジネス下手」に尽きます(決して底辺貧乏クリエイターな自分が責任転嫁している訳ではありません)。日本アニメ業界のブラックっぷりは有名だし、プラットフォーム展開もポンコツ。製作委員会クールジャパン草草草。権威主義、利権や忖度や中抜きの奪い合い、コンテンツ以外のところで足を引っ張り合うという、日本おなじみのいつものやつ。これは漫画やゲームや映画とかでも言えますが、ビジネスの枠組みや資金調達配分の段階で米中韓に圧倒的に負けるという、クリエイター潰しも甚だしい状況です。目先の利潤確保に必死で、デカい儲けを出せない日本ビジネスのハゲタカ特性。悪代官「おヌシもワルよのぅ」的昭和の伝統をずっと守り続けてます。Winwinにしないと持続不可能だって言ってんじゃん!

少子高齢化・人口減少・天然資源無しの日本が今後外貨を稼ぐため、コンテンツIPビジネスは日本の将来を担う基幹産業です。それ以外はもう観光産業かワンチャンAIロボット産業くらいしか可能性ないんだから、もっとクリエイターや制作スタジオを大事にしましょうよ。ちゃんと世界で売り上げてお金回しましょうよ。だって他に売れるもんないんでしょ?Netflixに助けてもらってる場合じゃないですよ。

有象無象のコンテンツが大量に生まれ続ける、日本という特異スポット。その産出資源を採掘・目利き・加工して、世界に売る。そこに音楽や衣料品食品、伝統工芸品とか聖地巡礼とかも絡めていけば、二次三次産業までいけますよ。下手すりゃ石油より強力な資源になり得ます。今やデジタル流通網も確立しており、あとは仕組みを整備するだけです。となればもうやるっきゃないじゃないですか。

そもそもビジパ志向ってそういう事やりたい人達じゃないのか。才能と資金をうまく繋げて回せるようになれば、もっと世界で無双できるポテンシャルはあります。地元で悪代官やって小銭蓄えたところで共倒れになるだけです。もっと今風にでっかくいきましょうよ。まあそういうのは昭和世代には無理なので、やっぱりこれもデジタルネイティブの新世代が舵を取っていかなきゃダメでしょうね。プロデュースは若くて賢いビジパ民に任せて、僕らみたいな昭和生まれ老害クリエイターは、後の方で個人的変態的作品作りに没頭させておく方が、結果的に日本のためになります(断言)。

という訳で、言いたいのはつまり「俺の漫画買って」って事です。

ちゃんと最初に「宣伝です」って言いましたよね?ハイ最後までちゃんと宣伝ですよ。流行りのプロセスエコノミーってやつです(苦)。底辺おっさんなりにもがんばってるんですよ〜って叫びです。実はCoiLerayの背後にも密かに僕のキャラクターが写っています。こういう良質資源(自画自賛)を、採掘して目利きして脈ありと思ったら、広めて育ててください。書籍化・アニメ化・ゲーム化・グッズ化のメディアミックスで、全世界でマネタイズすればドデカい儲けになると思いますよ〜。さあ若い敏腕ビジパ諸君からのDMをお待ちしてます(必死かよ)。




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