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ひとつの星を終えるとき

 僕は僕自身の手で、幼い心を崩さなければならない。
 そう教えてくれたものがある。



 昔の心が崩壊すれば、留まる言葉の反転は起こるよ。
 崩壊とは、消えてなくなることではない。

 一つの恒星が崩壊し、その内部で造られた原子一つひとつが集まって、また新たな星々が生まれる ―― この宇宙とは、その様にして続いてきた。

 であるならば、ふるい心の崩壊とは、新たなものを生み出すことなの。
 悲しむべきことではないよ。



 その様に教えてくれた君。
 そのことを、大切に思いたい人と二人で話し合ってゆけばいいのだと、そう教えてくれた。

 真に大人を目指すために、新たなものを築くために、ふるい子供の僕を自らの手で崩壊させねばならない。
 思い出には残るし、消えてしまうわけではない ―― そう言ってくれたのは、君の優しさだったろう。

 もう独りで生きることはない。
 だからこそ、心の内なる崩壊すらも起こせる。

 喪失感を、乗り越えたい。

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