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ペアでやるオンラインUTのメリット

サイボウズのデザイン&リサーチチームのおーじです。
サイボウズでは3月の頭からコロナの影響で在宅勤務になり実際に会って行うユーザビリティテスト(UT)が困難になりました。
出社できない中でもUTを継続して行うため、社内の方に被験者として協力してもらい、遠隔でUTやインタビューを実施しております。

1人体制から2人体制へ(1人からペアへ)
オンラインUTを始めた頃は僕が一人でUTを行っていましたが、つい先日インタビューアー2人体制でUTを行う機会がありました。
チームの中でオンラインの特徴を生かしたUTをしたいということで国外のメンバーにUTをしてみようという話になり、アメリカのメンバーにUTすることになりました。
その際に、英語を話すメンバーのセバスチャンが手伝ってくれることになり、僕と2人でインタビューをすることになりました。
2人体制の効果に関しては、準備などが少し楽になるくらいの期待しかしていなかったのですが、結果として、テスト中に今まで1人でやってきたことを分担できることや、インタビューにより集中できるなど1人の時とは違ったメリットがありました。僕が感じたペアで行うオンラインUTでのメリットを3つ紹介します!

1. インタビューに集中できる

オンラインでのUTでは被験者とのラポール形成のため普段以上にアイコンタクトや聞く姿勢を意識する必要があります。そのため、聞くことに集中しながら他のタスクを行うことが普段以上に困難に感じました。1人でのオンラインUTはノートテイキング、タイムマネジメント、別ルームの観察者の質問を確認するなどマルチタスクになりがちです。
ペアで行うとこれらのタスクを分担することができるのでインタビュー自体にに集中することができます。

2. UTへの理解がより深まる

オンラインでのUTをペアで行う場合、事前のリハーサルが重要になってきます。1人でなく2人で実施するので必然的に質問のタイミングなどを事前に共有しておく必要があります。
もちろん、1人でインタビューをする際もリサーチャー同士でテストの目的、内容などを共有しますが、実際にインタビューする際は一人なのでどうしてもフィールドガイド(台本)が疎かになりがちです。
しかし、ペアでインタビューするとなるとお互いの質問、動きをあらかじめ知っておく必要があるので1人の時より入念にフィールドガイドの作成やシミュレーションを準備します。結果としてUT自体への理解が深まります。

3. 観察の取りこぼしをカバーできる

オンラインでのUTでは被験者の画面を共有してもらいながらテストを進めます。被験者の操作画面をメインで確認しがら、小さいウィンドウに映る被験者の表情を観察します。
スクリーンが2つに分かれるので、大きく映る被験者の操作画面と小さく写っている被験者の様子を2つに集中しながらモデレートするのはなかな至難のわざです。1人でやる場合は被験者が触っている画面をみながら被験者の言動、表情を集中して聞くのは難しいです。
しかし、ペアで行えば、1人では観察しきれなかった微妙な表情や気になる言動などをもう一人のインタビューアーがフォローしてくれます。

気をつけることは?

準備に時間がかかる
2人でやることによって生まれるデメリットもいくつかあります。
まず準備に時間がかかってしまいます。2人での準備になりますので必然的にスケジュールを合わせたり、2人でリハーサルする必要が出てきます。
この問題は非同期でのコミュニケーションを中心にお互いの時間を合わせることなく準備を進めることで緩和できると思います。

ペースコントロールが困難

2人でインタビューアーを行う際の1人で行う時との大きな違いは、2人で回すというところです。1人の時であれば、話が脱線しそうな時でも自分のペースでコントロールすることができますが、2人で行うときはそう簡単にいきません。お互いのペースをコントロールしながら行うのが難しいと感じるかもしれません。
これに関しては、事前の打ち合わせやフィールドノートをうまく活用することでペースコントロールをうまくすることができると思います。

まとめ

今までのように実際に会ってUTの実施が難しくなった今、オンラインUTはこれからさらに注目されると思います。オンラインUTの効果を高める1つの方法としてペアでのUTがあり、今回はそのメリットをお話しさせてもらいました。
ペアでのUTの最大のメリットは同じレベルの責任感で参加してくれる人がもう一人いることだと思います。1人で行う場合、1人のインタビューアーがラポールや質問、モデレートなどをするため責任が多く、純粋に観察に集中するということが困難に感じることもあるかもしれません。
実際にインタビューに参加するパートナーがいることでテストの準備、テストの実施を分担させることができ、結果的にインタビューの質をあげることができます。是非みなさんもペアでのUT試してみてください!
次回はペアのオンラインUTのTips を紹介します!

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