医師の働き方改革、全まとめ資料が公開
はじめに
みなさんこんにちは!
日々、医療介護データに関する情報を発信している まじめな所長 です。
先週のツイートの中から、特に注目のトピックスについてピックアップして解説します。
医師の働き方改革、全まとめ資料が公開
6/14の中央社会保険医療協議会 総会(中医協)にて、医師の働き方改革、全まとめ資料が公開されました。
中医協では、2024年度診療報酬改定について議論していきます。議論を行うにあたって、働き方改革の現状をまとめた資料となっています。
医師の働き方改革について知りたい方はぜひ、参考ください。
2024年4月から医師の働き方改革がスタート
今、医師の働き方改革が話題となっているのは、2024年4月から医師の働き方改革がスタートするためです。
もう間もなくですね。
そもそも「働き方改革関連法」は、2019年4月1日に施行されており、一般の企業ではすでに働き方改革が行われています。
医師と、一部の職種の人だけが特別に、猶予されていました。
医師の時間外労働は原則、年960時間が上限になる
働き方改革で特に大きく変わることは、残業時間の上限ができることです。医師の場合は月100時間未満・年960時間が残業時間の上限となります。
これまでは残業時間に法律上の上限がなく、医師の長時間労働は当たり前となっていましたので、上限を設けることで、長時間労働に歯止めをかけたい考えです。
令和1年の調査では、医師の37.8%が年960時間以上の残業をしていることがわかっています。
残業時間が、月80時間以上になると過労死の危険性があると言われています。月平均80時間×12カ月で年960時間となりますので、過労死の危険性のある状態で多くの医師が働いていることになります。
なお、一般企業の職員の残業時間の上限は原則として、月45時間・年360時間ですので、医師の労働時間上限は、他の職種に比べて長めに設定されているということになります。
特例の対象になると、上限は1860時間まで増える
突発的な業務が発生しやすい救急医療を担う医師や、当直バイト等をたくさん行う研修医については、職場が特別な届け出をすることで、残業時間の上限を1860時間まで延長することができます。
B水準、C水準と呼ばれています。
医師が働けなることで医療崩壊につながる危険性があり、特例を認めることになりました。
しかし、これは一時的な措置です。2035年をめどに、この特別な措置も終了することを目標としています。
それまでにタスクシフティングやICT化、医師の偏在の解消などを進め、医師の頑張りに依存し過ぎない、医療提供体制を作っていく必要があります。
働き過ぎの診療科ランキング
今回公開された資料の中には、診療科別の勤務時間も掲載されました。
診療科によっても労働時間は違います。
■労働時間の長い診療科トップ3
1位 外科 週平均61時間54分
2位 脳神経外科 週平均61時間52分
3位 救急科 週平均60時間57分
緊急対応や、手術の多い診療科がランクインしていますね。
週平均60時間というのは、通常勤務時間+残業時間20時間ということです。1か月を4週とすれば、過労死ラインである残業時間80時間(20時間×4週)となります。
外科、脳神経外科、救急科の医師の多くが過労死ギリギリのラインで仕事をしていることになります。
■労働時間の短い診療科トップ3
1位 精神科 週平均47時間50分
2位 リハビリテーション科 週平均50時間24分
3位 眼科 週平均50時間28分
労働時間が短い診療科には、緊急の対応が比較的少ない診療科がランクインしています。
医師の約半数は「現状のまま」を希望している
働き方改革は一見、医師にとっては良いことのように思えますが、医師に対するアンケートでは「現状のまま」を希望している医師が約半数に上りました。
なかなか意外な結果です。
長時間労働が当たり前となっているがゆえに、改善の必要性を感じていない医師も多いようです。
おわりに
今回は『医師の働き方改革、全まとめ資料が公開』というテーマで書きました。
いかがでしたでしょうか。
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