老舗旅館が閑散期対策として取り組む、酒と食をフックにした地元需要の創出
売り上げは待っていても上がらない。商売をやっていれば当然誰でも理解しているし、何らかの対策を行っているかと思う。ただ、闇雲にアクションを起こしてもそう簡単には結果は出ない。やはり観光業のようなBtoCの産業は消費者が求めるニーズをタイムリーに打ち出す必要がある。
年間で最も旅行需要が高まるのタイミングの一つは春の大型連休、通称ゴールデンウィーク。メディアでも盛んに高速道路の渋滞情報や新幹線の乗車率、宿泊施設の予約状況などを報道するのは毎年の恒例。この大型連休は観光事業者にとって大きな売り上げとなる一方で極端に集中し、普段訪れないようなクレーマー客や珍客が出没し現場のスタッフに大きな負荷がかかる大変な時期でもある。そして何より、この大型連休に需要が集中することで春休みとの狭間になる4月やGWから梅雨となる7月中旬までは観光業界、特に個人客の動きは大きく低下することになる。星野リゾートの星野佳路社長は大型連休の地域ごとの分散化を中心に旅行需要平準化の必要性を提唱しているが、保守的な日本人はそう簡単には変われないのが現状。変化を待っているのではなく自ら仕掛ける必要がある。
データで見る旅行需要の推移
ここから先は
2,504字
/
13画像
¥ 300
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?