【連載小説】第二部 #4「あっとほーむ ~幸せに続く道~」幸せの弊害
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<めぐ>
四
夏休みの間は二人のために料理をすると決めた。まだあまり上手じゃないし手際も悪いけど、二人に愛を返す方法が今はこれしか思いつかない。
とはいえ、朝食、お弁当、夕食と……。三食作るのは思っていた以上に大変。それに加えて、ゴミ出しや掃除、洗濯や食材の買い出しなんかもしなきゃいけない。これを今まで親がしてくれていたのかと思うと感謝の気持ちも湧いてくるが、決まりきった家事をこなすだけの日々に、十八歳のわたしは早くも根を上げ始めている