モンテッソーリ教育を10分で理解しよう
モンテッソーリ教育は、AmazonやGoogleの創業者や、将棋の天才、藤井聡太氏が受けたといわれる有名な幼児教育法です。
わが子を思う親であれば、そういった幼児教育を通して、将来自分のやりたいことをやり通せる力をつけて、活き活きと生きて欲しいと考えるものですが、、
いわゆるスクールでそういった教育を受けさせようとすると、金銭面でとっても負担がかかってしまいます。そもそも、そういった施設はそれほど多くもなく、近くにないこともほとんどです。
そのために家庭が不幸になっては、本末転倒です。
そこで、スクールで限られた人が享受できるのではなく、家でモンテッソーリの考え方だけでも実践したい。。!と考えるようになりました。
家で過ごす時間が、何より一番長いのです。
そんなおうちモンテ(家で実践するモンテッソーリ教育)を実践するため、書籍を通して学び、まずは、基礎となるモンテッソーリ教育の要点を、この記事でまとめてみました。
モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育は、医師であり教育家であったマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法です。
医師なだけあり、生理学、心理学、教育学の側面から、子どもの観察を通して得た事実をベースに体系づけられた教育法なので、誰にでも適用できます。
とにもかくにも、ベースとなる大枠の考え方は以下の2つです。
子どもを観察すること
発達に見合った(「敏感期」に沿った)環境を整えること
まとめると以下になります。
すなわち、子どもが「自分で」成長しようとするのを助けるために、「子どもに対して」何かするのではなく、「環境に対して」工夫をしよう、という教育法です。
1.「子どもを観察すること」とは
子どもを「教育」しようと思うと、必ず親の気持ちばかりが先行し、子どもに対して無理やり教え込んだりをしてしまいます。
そうしてしまうと、本来自分で伸び伸びと成長する力を持っている子どもの力を、かえって阻害してしまいます。
「子どもが学びの主役、大人はサポートに徹する」ということを大前提に置き、その子ども自身を丁寧に観察することで、子どもの自主性を最大限にサポートする必要があります。
したがって、下記のやってしまいがちな<NG言動>は厳禁です。
<NG言動>
NG1)人と比べる
子どもの絶対的に個人差があります。他の子と比べると、無意味な劣等感を植え付けてしまいます。劣等感を昇華して奮起できるようになるのは、もっと後です。無意識な劣等感は伸び伸びとした成長を阻害します。
(NG例)
「あの子はもう一人でトイレできてるよ!」などの声かけNG2)先回りする
子どもは体験的な失敗からしか学べません。多少危なかったり汚れたりする程度であれば、失敗させてあげなければなりません。失敗して立ち直れなくなる心配はありません。子どもの成長する力を信頼する、とはそういうことのようです。
(NG例)
落ちそうだったから運んでいた食器を持ってあげたNG3)手放しで叱る、褒める
子どもがした結果や子どもの人格について、ただ叱ったり褒めたりすると、自己肯定感が下がります。ダメなことはダメと明確に理由とともに伝えることは重要ですが、マイナスの感情も含めて、「嫌だったね、つらかったね」と認める必要があります。結果や人格ではなく、プロセスや存在そのものを認められた子どもは、自己肯定感が上がる傾向にあるそうです。
基本褒めることはいいのですが、結果ばかり褒めると、そうでなかったとき自己肯定感が下がるので、見たままの様子を共感して実況することがよいようです。「1位になったから天才」「100点とったからすごい」ではなく、「こんな工夫ができてたから1位になったのかもね」「テスト前にあれだけ努力して勉強したから100点とれたんだね」などに変換して、気持ちだけは共感するようにします。NG4)レッテルを貼る
「あなたはおっちょこちょいだよね」「あなたはだからドジなんだ」などのレッテルを張ると、無意識のうちにそのレッテルに縛られた人格になります。本来はできるのに、枷をつけてしまうことになるのです。
人格に結びつけるのではなく、事実を実況したほうがよいようです。
2.「発達に見合った(「敏感期」に沿った)環境を整えること」とは
子どもに自分の成長力を十二分に発揮していくには、適切な環境を整え、重要な経験をしていってもらう必要があります。
環境はそれぞれの家によって違うので、その環境づくりのベースとなる<環境づくりの意識>を観点として整理しました。
<環境づくりの意識>
子どもの興味に一緒に探求する
子どもが興味のあるものに、大人も一緒になって探求することで、その子の興味を深めることができます。この集中の時間を長く経験するほど、能力が向上していきます。子どもの好きに寄り添う
言わずもがな、大人が好きじゃないことも好きになることがあります。法に触れるようなことでなければ、好きを認めてあげる必要があります。こちらも前述の通り、集中の時間を長くすることで、成長を促します。集中している時には邪魔しない
子どもが以下のいずれかの兆候を示したときは、褒めることすら話しかける事すらするべきではありません。成長に集中しています。
・静かに何かをしている
・同じことを繰り返す
・笑顔になっている失敗を経験するまで待つ
先回りがNGと述べたことと同様です。子どもは失敗から学びます。どうしたらいいか答えを指摘するのではなく、一緒に考える
「失敗を経験するまで待つ」ことと同様、考えるまでもなく答えを得てしまうと、なぜそうなっているのかを探求する機会を失ってしまいます。一緒にいろいろな答えを探すことで、思考の幅が広がります。たくさん手を使うことを習慣づける
後述の敏感期に関連しますが、自ら手を動かして世界に働きかけ、そのフィードバックを得ながら学ぶことは、受動的に学ぶよりも圧倒的に刺激的で成長を促します。遊びの工夫として、そのように手を使わせるような道具を配置するべきとしています。子供が扱える実用的な本物の道具を用意する
お手伝いをしてもらうとき、偽物や玩具だと、子どもはそれを敏感に感じ取っています。「実体験とは実生活に基づくべき」という思想があるので、きちんと本物の手触りを経験させる必要があります。ただし、うまく扱えないので、サイズ自体は子ども用の方がよいです。ダメなものはキッパリ教える
意外ですが、すべてを許容するのではなく、ダメなものは理由を添えて必ずきっぱり教える必要があります。教育の目的は子どもの社会的な自立なので、社会で生きていけないような振る舞い(法を犯す、他人に危害を加える、自分に致命的な影響を与える等)は、ダメなものとして教えなくてはいけません。放任と信頼は違います。
(が、この塩梅が難しく、、モンテッソーリの著書でも子どもの園の教員が同様に放任の手段をとってしまい、モンテッソーリに叱られています)お手伝いしてもらう
社会で自立するためには、家事や仕事もできなければなりません。子どもは本来的になんでもやってみたい!と思うものなので、そのときは積極的にお手伝いに誘うべきです。無理やりはNGです。親の気持ちを伝える
社会に出て、他者と関わるうえで、相手の気持ちをおもんばかることは非常に重要です。まず、身近な親から、存在自体を愛していることを伝えるとともに、どういうことをされると、どういう気持ちになるのか、も伝える必要があります。
また、もちろん個人差はありますが、生物学的に、年齢に応じて何を重点的に学んでいるものなのかが体系づけられています。それが敏感期です。
2〜3歳:秩序感を育てる
大人からみて意味のない繰り返しの行動でも、声かけ等をして中断させることなく、見守る必要があります。3〜6歳:手を使って学ぶ
感覚を最大限に洗練させる時期です。手を用いたさまざまな体験をさせる必要があります。~4歳半頃:動かしたいように体を動かし、運動神経を確立する
最大限身体を動かせるように、なるべく制限をしないような環境におく必要があります。また、継続して意識的に指先を動かす環境も準備する方が良いようです。~6歳頃:言葉の爆発期
言葉をスポンジのように吸収し、言葉を発して自分のものにします。この時期はシャワーのようにたくさんの分かりやすい言葉を話しかける必要があります。英語学習なんかもこの時期がおすすめです。
さいごに
実践しなければ!と、モンテッソーリ教具などのメソッドを先行して取り入れるより、これらのベースとなる考え方を十二分に理解し、子どもに向き合うことの方が何より重要であると感じています。
この記事がご自身の子どもの未来を考える上での一助になればとっても嬉しいです。