つくりたいものに思いを馳せたら、デザインもエンジニアリングもしたくなったデザイナーの話
こちらは「エンジニアリングに興味があるデザイナー、デザインに興味があるエンジニア Advent Calendar」6日目の記事です。
はじめに(自己紹介)
都内でインハウスデザイナーをしているさおり(@iropon30)です。2年前に制作会社から転職して、自社サービスのUIやWebデザイン、簡単なコーディングまでお仕事にしているエンジニアリングに興味があるデザイナーです。
今回は制作会社(ディレクター)から事業会社(デザイナー)、そしてやってみたいことを見つけたデザイナーのポエムを綴ろうと思います。
制作会社から事業会社へ
私がいた制作会社は激務のそれで、仕事は楽しいけれど「ずっとこういう働き方ができるわけではないなぁ」と思っていました。今思うともっと仕組み化したり、どういう風に激務を減らせるかを考えることもできたなと思います。
そういう風に「考えることもできたな」と考えられるようになったのは、今の事業会社で「稼働率約80%な働き方」ができるようになったおかげです。(でも全力です!笑)制作会社の頃は120%稼働に追加でまだまだ業務が…という日々で、色んな事を考える時間を業務に費やしていました。
もしいま同じような制作会社に転職したら、考えていることをアウトプットすることもできるかもと思いつつ、いまは別の道へ進みたくなっています。
事業会社での気付き
お客さま先に出ることがぐっと減った
というか皆無です。以前の制作会社は「自分で案件を受注してきなさい!」スタイルでしたので、営業さんの同行から制作、納品、運用保守までやっていました。
また業種に特化!といった制作会社ではなかったので、様々な業界・業種を知れたのはとても良かったです。
余談ですが、駆け出した頃はこのどんな業界か?業種か?仕事なのか?という知識がなく、調べ方もわからなかったのでとても大変でした。表面的でない部分まで考えることを教えてくれた先輩に感謝しています。
戦略部分も問い続けられる制作物
制作会社にいた頃は、お客さまの目的や課題を紐解いたり、要望に沿ったりして制作を行っていました。しかし戦略部分から携われるかというとそうではありません。本当にこの制作物は必要なのか?という事を意見できない場面も経験しました。
事業会社に入ると、戦略部分にもデザイナーとして口を出したい、出さねばならぬ状況になりました。もちろん考えたことをすべて実行できるわけではありませんが、考えたけど言えないという事が減り前向きになりました。
評価と感謝のズレが少なくなった
Webサイトやアプリで課題を解決するということは変わっていませんが、評価や感謝される部分が変わったと感じています。
制作会社だと、評価は「受注〜納品」で出てくる利益数字。感謝はお客さまから言われる「結果が出たよ!」や「素敵なサイトになりました!」でしょうか。
大きな数字を得たけど、感謝は少なかった。とても感謝されたけど、利益を追えなかった。といった評価と感謝のズレを感じることも多く、やりがいを制作物をつくるというところに見いだすことで精神を保っていたように思います。
私は事業会社に来てからは評価と感謝にズレがほぼなく、やりがいは感謝や数字、制作物すべてから感じることができています。ただ、失敗や結果が出なかったときのパンチ力は制作会社以上かもしれません。
共通言語がほしい
前置きが長くなりましたが、事業会社で楽しく、時に悔しく制作人生を謳歌しています。そして転職して2年、やっと業務への慣れも出てきて「新しいこと」をしたくなりました。
もっとエンジニアさんとの共通言語を持ち、効率よく制作・開発するには?というところに足を踏み入れたいなと思っています。
私はバックエンドがどんなフレームワークで実装されているかもわからず、テーブル設計をどんな風にしているかもわからず、フロントエンドを最近少しかじった程度なので、エンジニアリングについてやっとこれからスタートを切れる!という感じです。
少しかじった感想としては、頭を使う場所がぜんぜん違うなと。突き詰めていくと深いから分業されているというのもありますが、頭を使う場所が違うから分業されているとも感じました。
つくりたいものができた
やっとスタート!なのに、事業会社での気付きや会社でこれからしたいことを考えていると、もういっそ最初からサービスを0からつくってみたいという貪欲な気持ちが出てきました。会社以外の活動としては、0から1にすること、0を見つけてくることに興味津津です。
そんな中、サービスをつくりたいエンジニアさんと知り合って、探り探りやってみよう!という話になり、超特急で共通言語を身に着けようと奮闘中です。つくりたいものができたから、エンジニアリングにも興味が出てきたし、せざるを得ないという状況になっています。
共通言語も持っていなければ、独自でやっている部分も多く「話が合わない」ということも多いです。色々経験して、デザイナーとエンジニアが気持ちよく開発・制作できるような何かを見出したいなとぼんやり思っています。
社外の活動から、社内へなにかフィードバックする。そして会社での活動から社外の活動にフィードバックするような良い循環を生みたいです。
デザインとエンジニアリングをつなぐためにこれからしたいこと
デザインのリファクタリング環境
コーディングまでデザイナーが行い、CSS(Sass)のリファクタリングをしてもらいたいと思っていましたが、デザインデータからエンジニアさんにリファクタリングするという環境をつくりたいです。オブジェクト指向UIをデザイナーだけではなくエンジニアの視点からより良いオブジェクト指向UIを目指していきたいです。
エンジニアリングよりのことを理解
上記のように、エンジニアリングの表面的な業務を知ると「デザイナーのこういうところにエンジニアリングの考えは合うのでは?」と考えることができますが、逆はまだできません。そのために、もっとエンジニアリングの事を知り「エンジニアリングのこういうところに、デザインの考えが合うのでは?」という事を問うことをしてみたいです。
つくりたいものから「もっとつくりたいもの」を考える
まだまだ漠然としていますが、自分の居場所を自分でつくれるクリエイターになりたいです。そしてその居場所をおすそ分けできる人になりたい。
だから色々なことに首を突っ込みながら制作していきたい。
身近な人が、クリエイティブなら!と頭に浮かぶ人になりたいと思っています。そうなれるようにはどうすれば?ということも自分に問い続けたいです。
まとめ
そんなこんなで、昭和生まれのおふとりデザイナーはなぜを問いつつ、もっとつくりたいものに思いを馳せながら制作できる日々をとても愛おしく感じています。
長い文章をお読みいただき、ありがとうございました。
どこかで交わった時には、どうぞよろしくお願いします。
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