minamo

言葉の湖。

minamo

言葉の湖。

最近の記事

R.I.P

胸が痛い。 特別好きだったわけでも、ずっと見てきたわけでもないけれど。 昔から知っている存在で、当たり前にいた人だった。 そんな人が、なぜ死を選ばなきゃいけなかったのか。 どうにもならなかったのかな。誰にも話せなかったのかな。どこにも救いがなかったのかな。 辛いとき、苦しいときって、視野が狭くなってしまって、誰の言葉も届かなくて、一人きりのように思えてしまうけれど。 そんなことないよ、大丈夫だよって、誰かが言ってあげられたなら。 何かが違っていたのかな。 本当に、本当に、

    • 旅立ち

      日曜日が終わらない。 世界は相も変わらず平等に日々は巡っているけれど、わたしだけ取り残されたままでいる。 とは言っても、仕事を辞めて、有給休暇を取得しているだけのこと。来週から新しい職場に行く準備をする期間でもある。 何も変わらないようでいて、着実に時間は過ぎていっている。 別れというのは、何度経験しても慣れない。 今回は自ら選んだ別れだったけど、それでも寂しさは変わらないものだ。 学校からの卒業とは違う。 みんな一緒に、せーので手を振って別々の道を歩くわけではない。

      • 眼差しは消えない

        月曜日、AM10:00。 いつもなら、とうに出社して業務を開始しているはずの時間にひとりきりで部屋にいる。 他の人は代わり映えのない日常を今日もこなしているはずなのに、わたしだけが世界の歯車から切り離された別の場所に取り残されたような。 あるいは、一夜限りの夢の中に置いてけぼりにされたような、寂しさがある。 わたしは自室に人を招かない。 気心の知れた友人は別として、友愛とは別の感情が生まれかねない相手、言ってしまえば男性は部屋に入れないと決めている。 部屋に行ってもいい?

        • その感情の名前は

          朝と昼の境の時間。 目が覚めては、眠りに誘われて瞼を閉じることを幾度も繰り返して、ようやく迎えた目覚めはなんだか気怠げな薄ぼんやりとした朝だった。 見慣れた景色の一部分が切り取られた窓の外を、ホテルのベッドから眺める朝は、まだ夢の中にいるように思えた。 曇り空の下、隣を歩く人と「秋みたいですね」と話しながら、ひんやりとした風が落ち葉をさらっていくのを眺めていた。 家を出るときに、桜の花びらが散るのを眺めていたはずなのに、時間を巻き戻したような景色だった。 見慣れた景色の中に

          飛沫

          今日、新卒で入社した会社を辞めた。 こんな時期に、という気もするが、敢えてこの時期を選んだわけじゃなくて。 たまたまこんなタイミングになってしまったというだけのことだ。 辞めることはこの会社に入ったときから決めていた。 元々、望んでいた仕事ではなかった。長くいるつもりのない場所だった。 だからだろうか。最後の出勤日。退勤の打刻をして、お世話になった人たちに挨拶をして。同期に退職祝いをしてもらっても、全然実感がなくて。 明日からもう顔を合わせることがない、という気がしなかっ