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サブスクの罠

AppleがApple MusicやApple Arcadeなどの複数のサブスクリプションサービスをまとめた「Apple One」というサービスを計画中だということです。

サブスクリプションサービス、いわゆる「サブスク」ですが本当に流行ってきていますよね。

AdobeのPhotoshopやIllustratorなどもソフトも、昔はパッケージ販売で一つ10万円近くしたもので、

しかも個別でそれぞれ買う必要があり、新しいバージョンが出ると再度結構な金額を払ってアップグレードしなければいけないという、

それを生業としている人ならば良いですが、趣味とかちょっとした副業で使いたい人にとってはハードルの高いものでした。


しかし今はAdobeであれば月5,000円程度払えば、PhotoshopやIllustratorを含めてDreamweaverやPremiereなど様々なソフトが全て使いたい放題、

しかもアップグレードも月5000円の中でやってくれるという、始めるためのハードルがとても低くなりました。

ワードやエクセル、パワポなどのOffice製品も同様にOffice365というサブスクを行っていて私も愛用しています。

またこれまた最近流行りのオンラインサロンに関してもサブスクの形態を取っているところがほとんどで、

このnoteでも「サークル」というオンラインサロンをサブスクで始められるための環境が用意されています。

なんにしても一括でまとめての出費ではなく、毎月ある程度低額かつ定額で購入、参加できるのが利用者にとってはとても魅力ですよね。


こうした利用者にとってはメリットの多いサブスクですが、ただ私達ビジネス提供側からすると安易にサブスクを始めようとするのは注意をする必要があります。

一番大きい点としては「人数が増えるまでは労力に対して収益が見合わない」という部分があります。

サブスクの形態を取る以上は、当然ある程度人数が増えても労力がそれほど変わらないような形でビジネスモデルを設計するはずですが、

それは逆に言うと「人数が少なくても労力が変わらない」ということでもあります。


サブスク購入してくれた方が1000人いるから頑張る、1人しかいないから手を抜く、みたいなことはできないわけです。

例え1人しか購入者がいなかったとしても変わらずしっかりとサービスを提供しなければいけません。

参加人数に合わせてサービスを拡充していくという方法もなくはないと思いますが、じゃあ参加人数1人に見合ったサービスにしたとして、そんなサービスを今後何十人何百人と購入してくれるかと言うとやはり難しいわけで、

サブスクをやるからには参加人数が1人だったとしても、今後参加者が数十人数百人と増えていくことが見込めるような魅力的なサービスにする必要があります。


となるとはじめ参加人数が少ないうちは労力に対して入ってくる収益が全然見合わないわけですよね。

しかしこれが少しづつだとしても積み上がっていってくれるのならまだ良いのですが、実際には入ってくる人もいればサブスクを止めたり退会する人が必ず一定数いるわけなので

下手したら出たり入ったりで参加人数少ない状態のまま運営を続けなければいけないことにもなりかねません。

これはなかなかきついです。


ホリエモンさんやキングコングの西野さんみたいに、はじめから知名度のある人がオンラインサロンやサブスクを始める分には、最初からある程度の購入者、参加者が見込めるので良いですが

そうではない場合はその最初の労力と収益が見合わない時期をどう突破していくのか?というのははじめから考えておくべきかなと。

ベストなのはサブスクを始める前に、事前に見込み客のリストを集めておいて(メルマガや公式ラインなどで)、最初からある程度の参加・購入人数が見込めるような状態になってから始めるのが無難かなと考えています。


また退会者を減らす工夫も大切です。

ビジネスなどの学びを提供するような通常のオンラインサロンでは、ある程度学んで満足すると止めてしまう人がどうしても出てしまいます。

私が以前うまいなと思ったものとしては、基本はビジネスを学ぶためのオンラインサロンなんですが、

そこにメルマガを配信したりなどのビジネスで使うツールを一つにまとめたシステムの利用権利をサービスとしてつけていたところがありました。

この形式であればビジネスの学びとしてはすでに満足してしまった人でも、そのシステムを使い続ける限りは継続してくれることになります。

特にメルマガ配信スタンドなどのビジネスで使うツールに関しては、特別な理由がない限りは基本的に慣れているものを使いたいと思うものなので、これは継続率が結構上がるだろうなと感じました。


流行りのサブスク、もちろんビジネス提供側にとっても毎月安定した収益が入ってくるという大きな魅力はあるんですが、

いざ実際にやろうとすると思った以上にハードルが高かったりしますので何も考えなしに安易に始めるのはかなり危険かなと考えています。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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