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SS【神さまへの道は険しい?】


神さま見習いとして、この世に生をうけて早千年。

そろそろ神さまとしての仕事が、ぼくに引き継がれてもいい頃だ。

それなのにちっとも任せてくれない。

この星の生命を見守り、人間を成長させるという仕事はそれほど難しいものなのだろうか?


ここは一つ実力をアピールしてやろう。

そう考えたぼくは、今この星で起きている問題の中でも、一番の難題を解決してやろうと考えた。

ぼくは人間たちの醜い争いをやめさせることにした。

愚かな人間たちは争いによって国土を広げ、お互いの違いを尊重することもできない。

国を守るため、同胞を守るためなどと理由を付けては同じ過ちを何度も繰り返そうとする。


ぼくは悩んだ末に、あるアイデアを思いついた。

全人類共通の敵を創ればいいのだと。

世界中の人間たちが協力して対応せざるをえないような強大な敵を用意することにした。

一番手っ取り早いのは、ぼくが敵役になることだ。


手始めに小さな島国を攻撃することにした。

ぼくは地上に降り立つと、「光あれ!!」と叫んだ。

眩ゆい光に包まれた島国の人々は視力を失った。

さらに両手を天高く振り上げ、「降り注げ!!」と叫んだ。

すると、空からこぶし大のひょうが猛烈な勢いで、丸一日地上に降り注いだ。


ぼくは神のげきりんに触れたのか雷の直撃を受けた。

そして不老不死の身体を失い土に還った。

しばらくすると人々は視力を取り戻し、協力して傷ついた町の復旧作業を始めた。

天災に見舞われた島国には、他国から義援金や生活物資が続々と届いた。

それでも争いが無くなることはなかった。

ぼくの思っていた以上に、神さまへの道は険しいらしい。

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