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140字小説【僕は縁起物】

「私ね、ある縁起物を集めてるの」彼女の部屋に入ると、壁には富士山の写真と扇子が飾られていた。僕は悩んだ末にやっと答えを見つけた。「末広がりのもの?」「当たり!ちなみにこれもそうよ」彼女は悪戯っぽい笑みを浮かべ、撮ったばかりの写真を見せてくれた。悩んで八の字になった僕の眉間の皺を。

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