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SS【ミキちゃんの逆襲】


ミキちゃんが言いました。


「お母さん!! おばあちゃんがね、子どもが夜に一人で外に出ると狼男に食べられてしまうんだって!!」


「まあ、怖いわね」


「それでね、狼男は見た目は人間だけど、満月を見ると恐ろしい狼男に変身して子どもを襲うんだって」


「じゃあ今夜は大丈夫ね。お月様は雲に隠れているわ」


そこへお父さんが帰ってきました。


「ミキーー!! お腹空いたか? 今日はお父さんがおうどん作るよ!!」


「やったーー!!」


お父さんはミキちゃんのうどんを作るとお風呂へ向かいました。

ミキちゃんはお父さんが作った月見山菜うどんと、お母さんと一緒に作ったコロッケを食べて満腹です。

お父さんが食卓につくと、ミキちゃんはコロッケの乗った皿を、自慢げにお父さんの前に置きました。


「どうぞ!! ミキが作ったんだよ!!」


「おお!! 凄いなミキ!!」


お父さんはコロッケをあっという間に平らげると、うどんをすすり始めました。


実はお母さんとミキの狼男の話を盗み聞きしていたお父さん。


「ミキ・・・・・・・」


「なあに?」


「このうどん、お月様が乗ってるね」


お父さんはそう言うと急に唸り声を上げはじめました。


「お父さんはね、お月様を見ると狼男になってしまうんだ」


そこでさらに大きな唸り声を上げると、ミキちゃんはお父さんが本当に狼男になってしまったと思ったのか泣いてしましました。

ミキちゃんは泣いて家を飛び出し、向かいに住むおばあちゃんの家へ行ってしまいました。

それを窓から見守りながら反省するお父さん。


しばらくしておばあちゃんがミキちゃんをおんぶしてやってきました。

それを見たお父さんは顔が真っ青になりました。

ミキちゃんがおばあちゃんの首に噛みつき、おばあちゃんの首からは血が流れていたのです。

おばあちゃんは白目をむいて倒れました。

口の周りが血で真っ赤に染まったミキちゃんは、お父さんの方を向いて不気味な笑みを浮かべています。


「ミキ・・・・・・なんてことを」


あまりの衝撃な光景に身動きの取れなくなったお父さん。


次の瞬間、お父さんはみんなに笑われました。

ミキちゃんはおばあちゃんと協力してお父さんに仕返しをしたのです。

お父さんが血だと思っていたのはケチャップでした。

ミキちゃんとおばあちゃんの迫真の演技にだまされたお父さんは、力なくその場にしゃがみ込みました。

ミキちゃん一家は今日も平和です。



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