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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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#超短編小説

140字小説【変わったオークション】

友人に誘われやってきた秘密のオークション会場。次々と何かが競り落とされていく。けれどいく…

こし・いたお
2週間前
4

140字小説【会社に行かないで】

押入れを整理していると、娘が幼い頃に愛用していたオモチャの宝石箱が出てきた。祭りの夜店で…

こし・いたお
2週間前
2

140字小説【記憶を映し出す眼鏡】

私がフリマアプリで手に入れた古い眼鏡は、かけると他人の過去の記憶を見ることができる。最初…

こし・いたお
3週間前
6

140字小説【ループの鍵】

僕は非常に困っていた。なぜか卒業式の日を繰り返してしまうのだ。今朝も高音で鳴り響く目覚ま…

こし・いたお
1か月前
3

140字小説【終わり良ければすべて良し】

夏休み前日、些細なことで私の父と母が激しく口論した。母は実家に帰ってしまった。家族旅行の…

こし・いたお
2か月前
8

140字小説【取引成立】

僕はプロゲーマーだ。というのは名ばかりで、困窮する母親に寄生し、仕事もせずにゲーム漬けの…

こし・いたお
2か月前
7

140字小説【バツが消えた日】

妻と久しぶりに子供のことで会話した。ここ数年、会話がめっきりと減っていた。ラインだけで事足りている。たまにしか入らない妻の部屋には壁掛けカレンダーがある。几帳面な性格の妻は、終わった日付けにバツを付けていた。付け忘れている日もある。でもある日、それが僕と会話した日だと気づいた。

140字小説【最後に見えた不倫相手】

僕らは仮面夫婦。不倫疑惑のある妻が、珍しく僕をイベントに誘った。いくら広くて手が込んでい…

こし・いたお
2か月前
4

140字小説【大盃】

私たち若夫婦はああ言えばこう言うお猪口だった。建設的な議論は期待できなかった。私たち中年…

こし・いたお
2か月前
4

140字小説【ごめんなさい】

山岳ガイドの僕は親友を案内していた。標高が上がるにつれ顔色の悪くなる親友。「高山病かもし…

こし・いたお
2か月前
4

140字小説【旅に出たい】

私は辛かった闘病生活を乗り越え、退院にこぎつけた。連休初日の早朝、私は釣り鐘型の帽子を被…

こし・いたお
2か月前
3

140字小説【思い出の山】

登山が趣味の友人と話していたら、懐かしい思い出が甦ってきた。久しぶりにあの山に登ってみた…

こし・いたお
2か月前
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140字小説【知恵の輪じゃない】

毎年、妻の誕生日に知恵の輪を贈っている。最高難度の知恵の輪をすぐに解いてしまう妻。ある年…

こし・いたお
2か月前
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140字小説【悪魔】

買い取り専門店にやってきた私。ここは悪魔が寿命を高額で買い取ってくれる店。無論、訪れるのは訳ありばかり。学生時代に母が自殺し、今はギャンブル依存症の父と二人暮らし。困窮していた。「母親が命と引き換えに手にした金をギャンブルで使い切った屑の娘だな」悪魔はそう言い私にナイフを渡した。