マガジンのカバー画像

140字小説

546
削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
運営しているクリエイター

#Tome館長さん

140字小説【久しぶりの食事】

罪悪感がないといったら嘘になる。だから極力悪人を選んだ。この国に蔓延する恐ろしい病は、人…

こし・いたお
3週間前
7

140字小説【運命のコイン】

僕はずっと運任せに生きてきた。テストで選択問題があれば鉛筆を転がした。同じ日に2人から愛…

こし・いたお
3週間前
7

140字小説【若さの秘密】

美魔女と呼ばれる私の友人は、実年齢より20歳は若く見える。ある日、友人の自宅に招待された私…

こし・いたお
1か月前
2

140字小説【絶叫マシン】

「全然怖くないよ」男は浮気相手の理子を引き寄せた。エレベーター型の絶叫マシンはゆっくり上…

こし・いたお
1か月前
4

140字小説【知恵の輪じゃない】

毎年、妻の誕生日に知恵の輪を贈っている。最高難度の知恵の輪をすぐに解いてしまう妻。ある年…

こし・いたお
2か月前
1

140字小説【最後の140字小説】

脚光を浴びる小説を世に残したい…でも私は要領が悪くセンスもない。ましてや人生の時間は有限…

こし・いたお
4か月前
4

140字小説【警笛鳴らせ】

僕が車で山道を走っていると(事故多発)の看板と(警笛鳴らせ)の標識が見えてきた。この辺りは霧が発生しやすい上に急カーブの連続。僕は路肩に供えられた花を横目に慎重にハンドルを操作した。「動物が飛び出してくるから気をつけて!私はそれで…」僕はクラクションを鳴らして声をかき消した。

140字小説【彼女の名はヤドリギ】

僕は小さな翼を羽ばたかせ食糧を探していた。葉の枯れ落ちる肌寒い季節になったのに彼女だけは…

こし・いたお
6か月前
7

140字小説【みつけた】

大雨の日の夜、男は車で事故を起こした。それから十年経ったある日の夜、男はヒッチハイカーの…

こし・いたお
8か月前
4

140字小説【生きるとは】

灯油だろうか?ガソリンだろうか?街中で小さな容器に入った油を被る男の映像を見た。自暴自棄…

こし・いたお
9か月前
1

140字小説【ついている】

最近私はよくケガをする。でも今日くらい悪いことは忘れたい。今日は私の41回目の誕生日。自分…

こし・いたお
11か月前
3

140字小説【成人の儀式】

「こんな国に生まれたくなかった。やり直したい…」成人を迎えた俺は神さまに強く願った。そし…

こし・いたお
11か月前
4

140字小説【会わせたくない】

僕たち夫婦は離婚した。妻がロボットメーカーの重役だった事もあり、親権は妻に渡った。遠くに…

19

140字小説【ゲームクリア】

あれから四十九日。エンドロールも終わりを告げ、いよいよ旅立つ時が来た。「お疲れ様です。ゲームクリアです。最後に聞かせて下さい。あなたがこのゲームに参加した理由を」「ぼくなりに出来ることがあると思ったんです。あの青く混沌とした世界で」ぼくはそう答えると遥か下の青い星を眺めて泣いた。