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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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2023年12月の記事一覧

140字小説【友人が売っていたもの】

自分の興した会社が倒産し借金だけが残った友人。でもそんなに辛そうじゃない。それどころか「…

こし・いたお
7か月前
4

140字小説【思い出した大掃除】

ほんの一瞬で今しようとしていたことを忘れてしまう。僕はそんな病気だ。無駄足を踏みたくない…

こし・いたお
7か月前
3

140字小説【浮気がバレた?】

「広いという漢字を使った140字小説を書くんだけど、何かいいアイデアはない?」そう妻に聞い…

こし・いたお
7か月前
2

140字小説【前へ】

机に向かい中学生でも知ってそうな漢字を調べながら、短編小説を書く寡黙な夫。「いつか自分の…

こし・いたお
7か月前
7

140字小説【生きるとは】

灯油だろうか?ガソリンだろうか?街中で小さな容器に入った油を被る男の映像を見た。自暴自棄…

こし・いたお
7か月前
1

140字小説【リレー小説】

私は今、リレー小説を書いている。1人140文字ずつ書いて3人で物語を作る。最初はマリ。自由奔…

こし・いたお
7か月前
3

140字小説【苦労した甲斐があった】

犯人は姪っ子だった。「返してね、あれがないと作品は完成しないよ」後日、遊びにきた姪っ子が自分の宝石箱を見せてくれた。「はい、どうぞ!」姪っ子が取り出した最後の一ピースをはめ込み、額に収めると、アニメキャラの描かれた千ピースのジグソーパズルが完成した。壁に飾ると聞こえてきた歓声。

140字小説【最初の記憶】

「辛くても絶対に途中で諦めないで」目に涙を浮かべ私を見送る人たち。気づくとお湯の中で自分…

こし・いたお
7か月前
2

140字小説【残り79.5】

先日、遊びにきたカナはトイレから出てくるなり「紙30㎝使ったよ」と報告した。カナはとにかく…

こし・いたお
7か月前
2

140字小説【さが】

「何ヶ月もシェルター代わりに使用していた薄暗い駅の地下道。今にも電池の切れそうな人々の表…

こし・いたお
7か月前
3

140字小説【うつるんです】

「人から人へ感染するらしいよ」「人とペットの間でもうつるらしいな」「うん、家族や友達同士…

こし・いたお
7か月前
4

140字小説【英雄になった】

僕は本番に弱いダメ先生。それにどこか抜けている。昔から試合に発表会など、いつも肝心な時に…

こし・いたお
7か月前
3

140字小説【そうですか…】

「おーーい!!」地面に空いた底の見えない深い穴。その穴を覗きこんで叫ぶ一人の男。「どうさ…

こし・いたお
7か月前
1

140字小説【秘薬を飲んだら…】

私は猫の言葉を理解できるという秘薬を飲んだ。「どうした?そんなに慌てて」「爪を切ろうとしたから逃げてきたんだ」確かに言葉は理解できた。富豪の家で飼われる方法というセミナーを開く猫までいることも知った。しかし、今知りたいのはそんなことじゃない。どうすれば人間に戻れるかということだ。