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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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2023年9月の記事一覧

140字小説【男の選択】

ここは陽の光が届かない地下迷宮。人を襲う魔物に死の罠、地上の常識など一切通用しない。石積…

こし・いたお
10か月前
2

140字小説【山男の妻】

気軽に来れる場所でないことは分かっていた。目的地へ続く坂道はアクセルペダルを目一杯踏み込…

こし・いたお
10か月前
3

140字小説【呪いの眼鏡】

僕には密かな娯楽がある。ネットオークションで珍しいアイテムを競り落とすことだ。最近競り落…

こし・いたお
10か月前
3

140字小説【部長は3→2→1】

どうした?元気ないな。えっ?作業は決められた順番通りにやれって嫌味な部長に怒られた?へえ…

こし・いたお
10か月前
2

140字小説【暗黙のメッセージ】

僕はカップ麺をよく食べる。だから彼女が魔法の砂時計をプレゼントしてくれた。食糧をストック…

こし・いたお
10か月前
4

140字小説【魔女の家】

「おやまあ…誰に断って入ってきたんだい?」魔女の棲む地下迷宮へやってきた私。迷宮内には魔…

こし・いたお
10か月前
3

140字小説【それが聞けてよかった】

「元気なうちに聞いておけばよかった…」病室のベットで娘の私に見守られ、いつ息を引き取っても不思議でない容態の父。急に目を見開き、何かを訴えるように口を動かし、力尽きた。咄嗟に口元を注意深く観察した私はニヤリとした。「座布団」確かにそう言った。父愛用の座布団から出てきたヘソクリ。

140字小説【泥棒猫】

人混みでは森に隠れる木の如く周囲に溶け込み距離を詰める。人通りの少ない道では長めに距離を…

こし・いたお
10か月前
4

140字小説【最後のサプライズ】

古代にいたとされる巨人の骨や足跡を発見した考古学者。彼は死に際、悔しさを滲ませながら妻子…

こし・いたお
10か月前
5

140字小説【彼女が被っていたもの】

目出し帽を被り、包丁片手に金庫の金をここに詰めろと窓口の女性を脅す男。私が郵便局の扉を開…

こし・いたお
10か月前
2

140字小説【受け入れられない】

病院食は病態に応じて作る。柔らかく煮たり塩分を控えたりなどだ。しかしこれは一体どういうわ…

こし・いたお
10か月前
4

140字小説【かんぱい】

「なぜ大勝ちしたかって?お前さん自分の子よりよその子が優秀だからって、よその子に自分の時…

こし・いたお
10か月前
3

140字小説【予行演習?】

「ねえ見て!調理器具コーナーにいる女。フライパンを手に取って振ってる」「ぼくもやるよ。商…

こし・いたお
10か月前
6

140字小説【悪くない】

職場の後輩が入院し4人部屋を選んだ。聞くと環境が悪いと言う。なぜなら隣りからは耳障りなオジサンの独り言。お向かいの爺さんは息を吐くように屁をたれる。斜め前のオジサンは仕事の電話をしてるアピールをする。後輩は最悪ですと言う。それは小説のネタになるから悪くないと作家志望の僕は思った。