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作品に罪はないとは言うけれど

世の中には素晴らしい作品がたくさんあります。人生100年時代とはいっても、そのすべてを堪能するには短すぎて、私たちが生きているうちに出会える素晴らしい作品たちは、砂浜の砂を手で救い上げる程度にしかならないのかもしれません。

その手のひらに残った素晴らしい作品は、いったいどんな方々が生み出しているのでしょう?どのような環境で育てば、そのような素晴らしい作品を生み出せるようになるのでしょう?

夢の無いことを言ってしまうなら、それは掛け算です。「生まれ持った脳の能力×生活環境×感受性」です。もともと生まれ持った脳の能力に対して、生活環境がそれを育ててゆきます。その生活環境で育ち、なにか事あるごとに感じた想いが、それまでの生活環境で培ってきた表現方法を通じて形となるわけです。なので、想像上空想上の産物であれど、幾通りもの枝分かれをした後の天文学的確率の中の一つの選択肢でしかない…という事ですね。

そして私たちのまわりには偶然にもそういう選択肢にたどり着いてしまった方々がいらっしゃいます。その思考、物事の捉え方は常人とはちょっと違います。その方独自の「生まれ持った脳の能力×生活環境×感受性」で形成された脳ですから、いろいろと枝分かれをしているうちに、他の多くの方々が通るのであろう太い枝からはずれ、さらに細く幾重にも折り重なった枝の茂みへと迷い込んでしまっています。

そういう方々は脳の作りが私たちとは違っていたとしても、やはり形状は私たちと同じ人間です。朝起きて飯を食し、排便し、また食し、交尾を重ねまた就寝。ルーティンは似たようなものです。しかし脳内の作りがちょっと違っているので、他の人とは違う思考、物事の捉え方をしますから、一般的な社会生活において、トラブルを起こすこともあったりします。

つい先日も器物損壊で逮捕された方がいらっしゃいましたが、ちょっとニュースを振り返っただけでも、不倫、生涯、暴行、薬物、金銭トラブル…と、俗にアーティストと呼ばれる表現者たちからは数えきれない程の問題行動が浮かび上がってきます。

芸術を好む方々は音楽にしても映画にしても、文学にしても、「アーティストに問題行動があったとしても、それらが生み出した作品には関係なく、素晴らしい作品は素晴らしい。」とおっしゃいます。確かにそのご意見は正しいのかもしれませんが…

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