伝説や妖怪の存在理由
皆さんは「伝説」とか「妖怪」はお好きでしょうか?
「伝説が好きか?」「妖怪が好きか?」という問いもなんだかお間抜けなお話しですが、「未確認飛行物体」とか「未確認動物」、「伝説」「都市伝説」といった類はけっこうお好きな方も多いと思います。今回は、なぜそういうモノが誕生したのか?を考察します。
以前にもこのnoteで取り上げたことのある謎の石像物「亀石」は、奈良県高市郡明日香村にあります。
長さ3.6m、幅2.1m、高さ1.8mの巨大な石造物で、誰が何のために作ったのか、まったくわかっておりません。
ただ伝説として
というものがあり、私としては亀がたくさん死んでしまって、哀れに思ったからといって、これだけ大きな石像物を作るだろうか?と思ったわけです。これだけのモノを作るには相当な労力が必要でしょうから、哀れに思っただけで、そこまでの事はしないのでは?と。
さらには、南西を向いているこの巨大な石造物が西を向く、そして大和盆地が泥沼に…という発想があまりにも突飛だと思うのです。そこで、私は調べました。
すると、飛鳥時代の後期、南海トラフ沿いの巨大地震「白鳳地震」があったことがわかりました。
「白鳳地震」は、天武13年(684年)、天武天皇の時代に発生した記録に残る最古の南海地震です。山が崩れ、川は溢れ、多くの官舎や家屋、倉庫、社寺が倒壊、高波が押し寄せ、海水が湧き返り、調税を運ぶ船がたくさん流失した…という記録が、日本書紀などにも残っています。
大きな地震があいついだ時期という記録もあり、そう考えると巨石が動くほどの地殻変動があったとしても不思議ではないし、「蛇」という感じが使われている地名もあることから、川が頻繁に氾濫していたことがうかがえますし、大和が湖であったとも言われていますから、大地は充分に水分を含んでいたはず。そういう場所で巨大地震が起これば、液状化することも容易に想像できますね。
そう考えると、伝説の亀が向きを変えるのは巨大地震による「地殻変動」を示唆したものであり、「大和盆地は泥沼になる」も、巨大地震によって「液状化現象」が発生する地域だぞ…という、飛鳥の人々からのメッセージではなかろうか…と、私は思うのです。
妖怪などの類は、何の根拠もないただの想像上の産物ではないことが多くて、例えば「鬼」や「神隠し」。これは人減らしのために、子供や高齢者を捨て、それを隠すために「鬼に食べられた」「神隠しにあった」と理由付けをしたようですし、「やまんば」(山姥)は、人減らしのために、姥捨て山に捨てられ徘徊している高齢者を、そう表現したのでしょう。「河童」(カッパ)は、人減らしのために捨てられた子供が水死体となって川を流れてくる様子だという説もありますね。
「火の無いところに煙は立たず」ではないですが、どんなものにもたいてい理由があります。調べてみると意外な発見があったりしますよ。
私が現在住んでいる場所には「駒」という字が使われています。「駒」と言う地名には「揺れる」という意味があると言われていますが、なぜだろう?と思っていたら、数年前に「駒」の地名が連なっている地域に沿って、断層が発見されました。なるほど!と思いましたよ。過去に現代が追い付いた瞬間でした。
「伝説」とか「妖怪」とかって偉大ですね。
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