神馬と天空の鷲

ザクッザクッザクッ

その時私は、真っ暗な闇の中を懐中電灯を照らしながら、5cm以上はあると思われる霜柱を踏みしめながら歩いていました。空には満天の星たち。吐く息は白く、不純物が一切混じっていないような透きとおった大気が辺りを包み込んでいます。

この日は旅番組のロケで、とある地域の牧場に撮影に来ていました。撮影部隊は5人ほど。プロデューサーと演出をするディレクター、カメラマン、音声マン、そしてカメラアシスタント。私は音声マンを担当していました。

夜中にロケ車に機材を詰め込んで都内を出発、現場の牧場近くに着いたのは夜明け前の4時ごろだったでしょうか。必要な機材をロケ車から降ろし、牧場まで歩いて向かいます。牧場にはすでに明かりが灯っており、さっそく牧場主様に挨拶をし、撮影現場へ。