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朽ちる前にすべきこと

私は映像作家。いくつものテレビ番組やCM、企業や市政関連映像に携わり、また自身の作品を作ってきました。そんな私が50歳を過ぎ、特化しだしたのは「まちづくり・まちおこし」の分野

なぜ「まちづくり・まちおこし」の分野なのか?

私はさまざまな場所に取材に伺ってきましたが、町や技術がどんどん新しくなってゆくその影で、ひっそりと朽ちてゆく情景や伝統芸能や匠の技が、あまりにも多いということに気づかされたからです。某限界集落の長老とお話しをした時も、昔から村に伝わる祭りでのみ披露される舞いや太鼓も、文献では残っておらず人伝で残っていて、後継ぎもおらず、現在の演者で途絶えてしまうのだとか。

地方の過疎化も、私一人が行動したところで変わるわけもなく、私個人でできることは何か?ずっと考えていました。

そこで出した結論は、全国各所の名所旧跡・伝統芸能文化・匠の技・昔ばなしを、映像アーカイブとして残すこと

「名所旧跡」は秒単位で朽ちています。いま目に見えているものが最善の保存状態であるため、すぐにでも映像コンテンツにしアーカイブにしておくべきと考えました。

「伝統芸能」「地域文化」「匠の技」は、過疎化が進み廃れてしまったとしても、数十年後に復活を試みた時、アーカイブを視聴すれば復活できるような、レシピ本のような映像コンテンツが必要だと考えています。

「昔ばなし」は思いのほか重要で、そのストーリーには地域の元ネタがあることが多いんです。これは地名にも言えて、「鬼」が出る所では「口減らし」があった、「蛇」は「川が氾濫した」、「龍」は「干ばつや大雨」、「亀」なら「地盤が緩い」、「河童」は「口減らしで間引かれた子供の水死体」などと言われたりしています。

過疎化が進むと、そのような大事な情報までも朽ちてしまう事になります。そうならないためにもアーカイブにしておくべきだと考え、7年ほど前から「みんなの教科書」というプロジェクトを立ち上げ、活動をしております。

「みんなの教科書」もいずれ、全国展開しているような企業にスポンサーになっていただき、名所旧跡・伝統芸能文化・匠の技・昔ばなしなどを、アーカイブとして残してゆきたいと考えております。

アーカイブが充実した際には、その昔政治家の傍らに占い師が存在したように、政治家の傍らには、それらの膨大なデータを取り込んだAIが存在しているかもしれませんね。

読んでくださりありがとうございます。サポートいただいたものは映像動画コンテンツ制作費用として大事に使わせていただくと共に、昨年の心臓手術、今年の難病発覚と病院代もかさんでいるので、その足しにさせてください。