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〜 とある女神の1日 〜




物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 とある女神の1日 〜


天界は、今日もゆったりとした時間が過ぎている
見目麗しい女神たちは、優雅にそして美しく華々しく過ごす
そういう私も女神であるのだが、何の女神なのかは想像に任せるとしよう
穏やかな天界の空は、今日も気持ちが良い程、青く澄み渡っている
頬に優しくそよぐ風を受け目をつぶり深呼吸する
伸びをした後に、パチリと目を開け、草原の向こうにある丘へと足を向けた
『どこ行くの?』
『ん?ちょっとお散歩がてら丘へ行こうかなって』
『あそこは気持ちがいいから僕も好きなところだ』
『でしょ?私もお気に入りなのよ。テオ歩ける?抱っこしようか?』
『歩けるよ。君は僕を抱っこしたいだけでしょ』
『あ、バレてた?だってふかふかで気持ちいいんだもん!丘に着いたら、もふもふさせてね』
『全く、僕を何だと思ってるんだか』
『大事な家族でしょ?』
『そうだけど、ぬいぐるみ扱い禁止だよ?』
くすくすと笑い合いながら、いつもの調子で私はテオと歩き出す
テオは、人間界で言う猫とキツネを足したような生き物だ
大きなどんぐりのような目に、キツネに似た耳を持ち、ピンとしたひげをのばす
女神たち一人に付き一匹という具合に、使役獣を兼ねて、必ず一緒にいる事が多い
テオという名前は、私が付けた
目があった瞬間に『この子はテオだ』って思ったからなので、深い意味はない
テオの種族は、きめ細やかなふさふさの毛並みが、とても柔らかく気持ちが良い
大きさは、だいたい大型の猫と同じくらいで、抱き心地も最高だ
いつも抱き締めると、苦しいからやめてと言うものの、それでもやめない私にテオは、しょうがないなぁと言って私に身を委ねてくれる
そんなところも、また可愛くて大好きだ
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『ふぅ』
『今日は道が変わったのか、僕、少し疲れたよ』
『そうね、たまに道が変わるのも楽しいけど、今日は坂道が多かったから、ふぅ。疲れたね』
天界は世界そのものが生きているので、気まぐれで道が、たまに変わる
と言っても大幅に変わるわけではなく、いつも通る道を歩いていると、坂道が増えたり、回り道させられたり
一緒に道を進む事を楽しむかのように、道を減らしたり増やされたりするのだ
しかし到着時間が、さほど変わらないのはありがたいところ
不思議な世界だと改めて思う
『ねぇ!みて!!やっぱりここは最高だよ』
テオは、嬉しそうに頂上へと駆け上がる
天界を一望出来るこの場所は、どの女神たちもお気に入り
大好きな場所は、みんな同じだ
私は、一通り景色を眺めた後、ゴロンと大の字になって寝転ぶ
ひらひらで滑らかな白い生地の衣が、芝生の上を気持ちよさそうに広がる
履いていた靴も脱ぎ、私はテオと一緒にしばらく横になる
『こんな風に、いつも穏やかでいられるといいね』
『そうだね』
どの世界にも争いごとはある
女神がどうやっても争う事もある
『どの世界も、いつも穏やかでありますように』
『うん』
『女神として祈ります』
『うん』
しばらくテオとのんびり過ごした私は、そろそろ女神の仕事をしに帰る事に
女神の仕事って何?とよく聞かれるのが、それも想像に任せるとしよう
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帰り道は、どうやらいつもの道に戻っていたようですんなりと帰る事が出来た
『さっ!今日も頑張るよ』
『そう言って、またお菓子でも食べるんでしょ?』
『なっ、そんな事しないよ。テオ欲しいの?』
『あれ?さっきパイを持ってた気がするよ?すぐお菓子食べるんだから』
『あれ?おかしいなぁ?』
『さぁ、君の仕事は忙しいよ?そのパイ食べたら始めよう』
『はぁい』
少しヤル気のない返事をして、私はいつもの女神の仕事を始めるのだった
まぁパイを、もう一つ食べてからね
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