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〜 大好きっていっていい? 〜







物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 大好きっていっていい? 〜

初めて会った時は、散々泣いた顔を見られていた
今日は、どちらかと言うとそんな顔は見せてはいない
だが、どんな顔をして話をすればいいのやら?と眉間にシワを寄せる
『どうしたの?』
『え?なんで?』
『何か難しそうな顔してるけど、まだ引きずってる?』
『あ、あぁ。いや、そんな事ないよ、ごめん!今日は思いっきり遊ぼう』
そう言って誤魔化す私は、君の隣で全力で笑う
『そう?俺は一緒に遊べて嬉しいけど』
ふふっと微笑みかけるような優しい笑顔は、私の心を癒やしてくれる
彼と会ったのは、丁度半年前
バーのマスターに失恋話を聞いてもらっていた時。私の隣で聞いてくれていたお客さん
うんうんと頷き、終電が無くなっても最後まで付き合ってくれていた
マスターは、彼の友達でもあるので、私に勧めたがっていたのを思い出す
そんな彼とよく会うようになったのは、1ヶ月位前の話
結局、バーへ行くといつものようにいる彼と話をする事が多くなるのは必然で、距離が縮まるのも時間はかからなかった
『今日はちょっと寒いね?』
『少し曇ってるからかなぁ。そうだ。近くに出来た本屋さん、すごく大きくてオシャレらしいんだ。私、本見たいから行きたいんだけどいい?』
『いいよ』
彼は、笑顔で返事をする
そして、いつも私の行くところへ嫌な顔せず笑顔で付いてきてくれる。まるで子犬のように
そこが可愛いと思う私は移り気が早いのか、それとも心を許してしまえる彼がいるからなのか
·
大きなガラス張りの建物は、外から見ても本がズラリと並んでいるのがよく見える
本が好きな私は、浮つく気持ちを抑えながら、大人しく本屋へと足を踏み入れる
図書館なら、本の香りも結構するのだが、本屋はまた違う本の香りがして私はその空間に酔いしれる
『本好きって言ってたよね。顔がニヤついてる。ふふ』
『え?!出てた?』
『そういうのも可愛くていいんじゃない?』
『ほんっと、口が上手いよね』
『俺は本当の事しか言わないんで。はは』
全くコイツは。と思いつつ、どこか嬉しい自分を認める
心地の良い話し方と、たまに私を嬉しがらせる言葉や突拍子もない行動で、彼は私の心を温かくしてゆく
距離感を詰めるのが上手いのだろう
世にいう人たらしである
それが心地よくて、私も一緒にいる事が多いのは事実である
『どんな本読むの?』
『んー。漫画も小説も色々読むよ』
そう言って、お互いみたい本棚へと移動する
私は、欲しかった小説を探しに辺りを見渡す
あれやこれやと見渡しながらお目当ての本の元へ辿り着き、パラパラとページをめくる
うん。おもしろそう。うんと頷き彼の姿を探す
漫画の本棚へと足を向けると、彼が本を選んでいるようだった
『何か見つけた?』
『ん?あぁ。君は何が好きなのかな?って見てたけど、どんな漫画が好きなの?』
『そうだな。少女漫画とか?』
『ふーん』
目を上下に動かしながらも、行こうか?と私をレジへと促す
·
お目当ての本も買ったし、本屋を出ると、次はどこへ行こうかと話をする
近くにベンチを見つけた私達は少し腰を掛けることに
『ねぇ?何しよっか?』
『んー。こうやって話するのもいいけど?』
『そう?じゃカフェ探す?』
携帯を片手に私はカフェを探し始める
『あ!』
『え?なに?』
『いや、全然関係ないんだけどさ?』
『うん』
『そろそろ俺の名前呼んでくれてもいいよ?』
『へ!?』
何を言い出すのかと思えば、名前?
私は、キョトンとした顔で彼を見つめる
『何か、君に名前呼ばれたいって思っちゃった』
『えっと?ごめん、どゆこと?』
『もっとお近づきになりたいなって言ったら分かる?』
ある意味、突然の告白に私は、ボンと頭から湯気を出す
『俺、君ともっと話たいし、もっと一緒にいたい』
『あり、あり、ありがとう』
急にドキドキしだす私は、まともに彼の顔を見れない
俯く私。視界の端で、おっとりとした笑顔を確認する
『で?呼んでくれるの?』
俯く私を覗き込む彼は、意地悪そうに私を見る
『いきなりは無理!』
そういうなり立ち上がる私は、思わず声が大きくなった
『ふふ。じゃあ、ちょっとずつね。はい座って』
赤くなる顔を隠すように私は、もう一度座り直す
『で、カフェどこ行く?』
素知らぬ顔で彼は携帯を持ち、ニヤリと笑う
あぁ。この突拍子もない言動に、私はたぶん惹かれてたんだ。
そう思いながら隣で笑う彼に、見事に恋に落ちるのだった
·

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