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痕跡

あの日突然、稲妻のような衝撃と
そよ風のような優しさが
私の心を通り抜けていった
わけもわからずあとを追った
ひたすら走り、息を切らし
がむしゃらに探し求めた

人は皆、ほんの僅かの出会いでも
向かい合ったその人の
心の深い奥底に
小さな足跡を残していく
足跡は消えることなく
永遠の痕跡となる

どこまで追い続けるのか
いつまで探し求めるのか
いつの日か、私の心の足跡が
思い出という痕跡になった
これこそが終息というものなのだろうか
終息…なんという物哀しさ
この心の渇き

あの衝撃、あの優しさ
懐かしく強く、今も求め続ける

(1995年作)