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自分の価値観を変えた本。


今日は、私の価値観を変えた小説、52ヘルツのクジラたちについて





まず、52ヘルツのクジラとは。🐋

他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。世界で一番孤独なクジラだと言われている。


あらすじ。

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い―。
孤独な、52ヘルツの声をあげる人々の物語。


印象的な場面。


貴瑚ちゃんが、「お母さんが大好きだから、愛されたかった」という場面。

貴瑚ちゃんは虐待されていた。愛されなかった。
普通、そういう親のことは嫌いになったり、縁切ったりしたいものなのかと思っていたけれど、

貴瑚ちゃんにとっては大事なお母さんで、大好きなんだなあって。

愛されていなくても、大好きって思えることと、それでも大好きだから、という切実な思い・・・

すごく複雑な感情になった場面です。


この本を読んで思ったこと。


自分も誰かを助けられる人になりたい。52ヘルツのクジラの声を聞ける人になりたい。自分にできることをやっていきたいです。小説を読んで、こういうことを思ったり、決意をしたのは初めて。

この本には作者の想いが詰まっていること。全体的にそうだけど、特に最後の場面は作者の町田そのこさんが本当に本当に伝えたいことなんじゃないかな。と思えた。今まで切実にそう感じる小説に出会ったことがあまりなかったから、とても嬉しい出会いだった。


小説に限らず、エンタメを通してメッセージを伝えてくれることはすごいことだと思うし、尊敬する。今孤独を感じている人がドンピシャで読んでくれるとも限らないし。

でも、届くことを信じて言葉にしているんだろうなあ。特にこの本は読んでてすごく辛かったしリアルだったから、町田さんも心とか、いろいろなものを削って小説にしてくれたんだろうな。

本当にこの本に出会えて幸せです。ありがとうございます。





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