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会計士は独立したら税務業務をするべきか?

会計士試験に合格したら、だいたい大手監査法人に入所して、5年くらいしたら転職とか考え出して、実際に転職するなり、異動するなり、監査法人に居続けるなり、いろいろありますが、遅かれ早かれ独立という選択を取るパターンも多いかと思います。

そして、独立したら「税務業務」をするか否かに迷います。筆者も迷った結果やることにしたのですが、この選択が良かったのかちょっと分からない状態です。

ということで、その辺の私見をつらつらと書いていきたいと思います。

幸いにも会計士は税理士登録ができる

会計士の資格を保有してたらありがたいことに税理士登録もできるので、税務業務ができるようになります。

感覚的には独立した会計士のうち半分くらいは税理士登録をしているようなイメージです、あくまでイメージなんで実際の数値は不明ですが。

ただ、登録費用的なものがなんやかんや初年度は20万円くらいかかる気がするので、そのあたりのバランスは検討する必要があるかもです。

ちなみに、逆パターンで税理士は会計士登録はできなくてこの辺の詳しい時代背景とかはよく分からないのですが、業界で揉めたり揉めなかったりしているとか。その影響もあってか会計士の終了考査で税務の内容がクソ難しくなってるとかの噂を聞いたことありますが実際のところは謎に包まれたままです。

税務業務を行うリアルなメリット

「税務業務を行う」という定義が人それぞれで、"これまで監査メインだったけど100%税務に振り切るパターン"や、"会計士フィールドの業務をあくまでメインで行いつつも税務業務も取り入れるってパターン"、いろいろあると思いますが、後者の"会計士フィールドの業務をあくまでメインで行いつつも税務業務も取り入れるってパターン"の方が多そうな雰囲気なのでその前提で以下進めます。

筆者が感じるリアルなメリットは下記です


  1. 業務の幅(獲得できる仕事の幅)が広がる

  2. 安定収入になりやすい

  3. 目先のことは置いといて税務に強くなるのは良いこと



メリット1つ目「業務の幅(獲得できる仕事の幅)が広がる」

税理士登録して税務もなんかあればやりますよ~のスタイルにしておけば、なんかの機会で知り合いとか何かの繋がりで税務顧問をお願いされることがあったります。

実際に筆者もお願いされたりすることは割りとあったります(諸々の条件合わず契約までいくことは少ないですが…)

とりあえず、税理士登録しておくと良い縁があるかもしれない、そこからいろんなことに派生するかもしれない、ってことで「業務の幅(獲得できる仕事の幅)が広がる」が1つ目のメリットです。

メリット2つ目「安定収入になりやすい」

まあ、会計士業務も安定要素は強めな気もしますが、税務業務は毎年ある申告が法律でバリバリ決まってるので、先々の収入がものすごく読めやすいです。
独立してたら少なくとも組織にいるよりかは収入は良くも悪くも不安定になりますが、この不安定のクッション的な感じで税務業務を自らの仕事ポートフォリオに入れるのもいいかもしれません。

まあ個人的には不安定になることはどうでもいい気もしますが、毎月安定した収入が高い確度で見込めるのは精神的にもGoodではあります。

メリット3つ目「目先のことは置いといて税務に強くなるのは良いこと」

「税務業務をしようかな?やめとこうかな?」とかそういう次元じゃなくて、会計の専門家として税務は避けられないっしょってことで、どうせ税務周りの勉強は避けられないので、税理士登録をきっかけに税務を身近なものに強制的にしておこう的な発想です。

税務業務を行うリアルなデメリット

一方でデメリットもあります、筆者の考えるデメリットは下記。


  1. 登録費用と維持費用がかかる

  2. 単位取得がめんどい

  3. 支部のイベント的なやつへの参加が実質強制

  4. 営業の電話がクソほどくる、広告もクソほどポストに届く

  5. 自宅住所が世の中にさらされるリスク


メリットが3つに対して、デメリットが5つにもなってしまいました。

デメリット1つ目「登録費用と維持費用がかかる」

多分初年度は20万円くらい、2年目以降は10万円くらいかかります、会計士の登録費用と似たような感じですね。
監査法人とかにいたときは、会計士の登録費用は法人負担なので実感としては薄かったですが、税理士登録をするタイミングは独立している時なので、金銭的ダメージは直接感じます。
とはいえ、必要経費なので仕方ないかなといったところですね。

デメリット2つ目「単位取得がめんどい」

会計士と同じく研修があるので、これをこなしていくのが少々だるいです。まあ、研修なんでだるいとかそういう世界じゃないかもしれないですが、会計士のeラーニングも垂れ流し勢が一定数いることを考えると、だるいと感じるイベントが増える形です。

デメリット3つ目「支部のイベント的なやつへの参加が実質強制」

これは税理士登録をしてから気づいたのですが、所属する支部とか地区でイベント的なやつが定期的に開催されてて、まあ内容は「税理士が住民のみなさんの税務相談に乗りますよ」的なやつですが、このイベントに徴兵されます、そして拒否権は実質ないです。
一応報酬みたいなやつは出るぽいですが、ほぼ1日拘束されるのはつらいです、いやマジで。

デメリット4つ目「営業の電話がクソほどくる、広告もクソほどポストに届く」

デメリット5つ目と関係する内容ですが、ホント登録したての頃はほんとに電話と広告チラシがめちゃめちゃきます。
会計システムを導入しませんか?専門書が安く買えますよ?顧問先を増やしませんか?みたいな営業がすごいです。ちなみに魅力あるサービスは1つもないんですべて断ってOKです。

デメリット5つ目「自宅住所が世の中にさらされるリスク」

税理士検索システムから、税理士の名前を入れると事務所の住所が出るのですが、この検索システムは全世界誰でもアクセス可能です。
よって、税理士事務所を賃貸ビルとかだったら気にならないですが、もし自宅で開業となった場合は自宅住所が世の中にフルオープンになります。

【まとめ】独立したら税務業務をするべきか?

現時点での筆者の結論は「別に税務業務をしなくてもいい」です。

やっぱ、なんや言うても、これまで会計士フィールドで経験を積んできたわけでそっちが本業になるはずです。今後は100%税務業務に振り切るとかだったら話は別ですが、今の会計士業務にプラスで税務業務もやってみようかな~的な温度感だったら別にしなくてもいいんじゃないかな?といったところです。

知り合いとかから税務申告をお願いされてマジで助けてあげないとどうにもならんってことも考えられますが、そうなったら知り合いの税理士にお願いすれば解決しますし、会計士は独立したら税務業務も!って感じでは少なくともないのかなと思います。

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