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「変わりたい!」は、ありのままの自分で生きることの始まりだった/HiromiさんのLife story

2023年11月。39回目の誕生日を迎えるひろみさんは、時を同じくして、自身の対話サービス「YOUR Dialog」をリリースしました。

その新たな門出を迎える節目。「対話と出会ったこの一年は、私にとって転機になりました。その自分の変化と、今の自分や想いを遺したいんです」。そうインタビュアーとカメラマンの前で話す彼女の佇まいは、出会った数か月前よりもナチュラルに、ふわりと。でも、芯のある姿で。

フリーランスになると決めた、想い出の深い地、千駄ヶ谷にて。ひろみさんの変化の一年を伺いました。( 取材・執筆:廣田彩乃 / 撮影:ayako yasui

Hiromiさん|対話者、YOUR Dialog主宰


自分を取り戻したい/全てが想像していたことと違った2022年


━━今年が人生の転機だったと話すひろみさん。その言葉の通り「変化の大きかった年」だったと思いますが、去年までは何か悩みを抱えていたんですか?

悩みというよりは「自分を取り戻したい」って、強く思い始めたのが去年の年末の出来事で。そのきっかけのひとつが、2020年に息子を出産したことだったなと思っているんですけど。

育児一年目の2021年はあっという間に過ぎて、2022年息子が保育園に通い始めた時、やっと自分の時間ができたはずだったんです。

でも、年末に一年間を振り返った時「私、この一年何やってたんだろう?」ってすごく虚しくなって。というのも、思い出すことすべての主語が息子だったんです。自分自身のことが、全くでてこなかった。

子どもとの時間だけじゃない。ちゃんと自分の時間も出来たはずなのに、いつの間にか自分軸を見失っていた感覚に近いのかもしれません……。自分に対して「味わってきたな」と思う感情や出来事が見当たらないことに、すごく空っぽな感じがしたんです


━━出産する前までは、どんな生き方をされていたんですか?

直前までは、フリーでプロップスタイリストをしていました。毎日、悩みながらも、純粋にやりたいことに集中していたし、旦那さんともお互いのVISIONを描く時間があったり、自分にフォーカスする時間が持てていましたね。

その頃は「出産した後もプロップスタイリストとして活動を続けていくんだ!」って、何の疑いもなく思っていたくらい。

でも、実際に”子どもがいる暮らし”が始まった時、”想像していた自分”じゃない自分に、ものすごくライフギャップを感じたんです。思っていたよりずっと、自分ひとりではどうしようもできない時間が増えたりとか……。

「プロップスタイリストに戻りたい?」って聞かれても、なぜか「それも違うかも」って思うようになっていったんです。


━━「限られた時間、一度きりの人生のなかで”私”は何がしたい?」そんなふうに考え始めたんですね。

出産前のように自分の人生を体感してた、あの生きることに夢中になっていた頃の自分を取り戻したい。そんな期待と不安があるなかで迎えた2023年の春。自分を整える年と決めたことから少しずつ、同じような毎日が変わり始めたんです。


対話との出会い


━━この一年、今のひろみさんに大きな影響を与えているなぁと感じる、印象的な出来事は何でしたか?

やっぱり、「対話」を体感したことが一番印象的で、大きなターニングポイントだったかな。dialogue community【DANRO HOME】の説明会で、代表の和花さんと話したあの時間が、全ての始まり。初めて「これが対話なんだ」って体感したのは、多分あの時だったんじゃないかなと思います。

これは話して良いか分からないけれど……。その日、マンツーマン説明会に参加したんです。私はオンラインに慣れないこともあって、すごく緊張していたんですけど。

でも、冒頭に「チェックイン(最初にお互いが今の最新の自分の状態、気持ちをシェアする時間)をしましょう」って言われて。それすらも「え?チェックインって何?」って、何がなんだか分からないでいた時、”じゃあ私から……”って話し始めた和花さんが一言

「私、昨日までの移動で疲れていて、心地良い疲労感があるんです。今、ものすごく疲れてます。以上です。」って言ったんですよ。私、それにビックリして!!


━━初対面で「疲れてます」って、素直すぎませんか(笑)

そうなんです!私は、サービスの説明を真面目に受けるつもりで構えてたんですよ!?(笑)その姿を見てカルチャーショックというか、衝撃的で目が点になって。でも、そこにマイナスな感情は全くなくて、むしろ強烈にその姿に惹かれたんですよね。

「あ、この人は本当に”ありのまま”でここにいる人だ」って。

その後の一時間、何を話したのかはもう覚えていないけれど、話し終えた後の、あの”すごくほっこりした体感”は忘れられなくて。「なんか分からないけど、これ良いな」って。「心地良いな」って感じているうちに、もともと自分は人が好きで、感情を交わらせることが好きだったことを思い出していったんです。

人とただ話したかったわけじゃない。こうして”私とあなた”のコアな想いと想いとが触れ合えることが嬉しかったし、今、まさにこれがの私が欲していたことだったんだって。それが、あの和花さんとの対話でした。


恋人に会うように、自分のなかにいる自分に出会いに行く


━━そこから今日までの数か月、人と対話することに夢中になっていったんですね。

そうそう。「なんか分かんないけど、心地良い。なんですかね、この感じは。」私、コミュニティ内での最初の1か月、対話する人みんなに、そればっかりずーっと言ってたと思います(笑)

自分自身も相手も、対話すると心がほっこりするというか、自分がピュアに戻れる時間というか。「なんなんだろう、これ!」って。でも、対話をする度にその心地良さが分かってきたんです。

「あぁ、私にとって対話って『自分を表現すること』でもあり『私のなかにいる私に会いに行く時間』だったんだなぁ」って。


━━「私のなかにいる私に会いに行く時間」って、すごく素敵な表現……!それって、具体的にどんな感覚ですか?

恋人に会いに行くような感覚って言うのかな。付き合いたての頃みたいに、会えたら嬉しいし、会いに行きたくなるし、ちょっと会えないと寂しくなる、みたいな。

でもそれって、自分との対話と他者との対話とで会える自分も違うから、定期的に誰かと対話がしたくなって。それを繰り返していくと、自然と自分にフォーカスできるようになっていたんです。

━━ちゃんと主語が「自分」になっていく。ひろみさんが求めていた時間が増えていったんですね。

まさに!それに、自分のことを好きになろうとしなくても、シンプルに「私でよかった」って、自然と感じられる。対話の心地良さって、それだなって

誰から強要されたわけでもなく、ただ自分と向き合って、自分を知れた時に感じる心地良さに、初めて「これが自分らしさなんだな」って思えるようになったんです。……これ、今まではそれが出来なかったんですよね。20代の頃なんて特に。


━━えー!?今のひろみさんからは意外です。

実はそうなんです(苦笑)20代の頃、周りから「ひろみさんからは強さを感じます」って言われることがあったんですけど、その強さって、今までは「自分の弱さを隠すために無理して頑張っていたもの」だったんですよ。

人間だから、強さもあれば弱さもあって当たり前なのに、人に弱さを見せるのが嫌で、おまけに自己肯定感も低かった、ありのままの自分を好きになれない人間でした。

そんな自分を「変えたい!変わりたい!」って、20代の頃からずっと自分探しをしていたんです。


「変わりたい」は「変わりたくない」のサインだった


━━フリーランスになる前は、どんなお仕事をしていたんですか?

始めは不動産営業、次が写真販売のベンチャー企業、最後に広告代理店ですね。プロップスタイリストになるまで、計3回転職経験があります。その選択は、その時の自分のやりたいを叶えていく為ではあったけど、なんとなく自分迷子な状態が続いて。

2022年の年末に、想像していた自分じゃない自分にライフギャップを感じて「本来の自分に戻りたい」と思ったのも「今の自分から変わりたい」と思っていたから。20代の、迷子状態と同じだったなって思います。

でもそれって、ずーっと人生の在り方探しをしていただけで、結局変わりたくなかったんだってことに、対話を通して気付いたんです。

そこの潜在意識にあった願いって、「ありのままで生きたい」「そのままの自分で生きていいよって言われたい」だった。今振り返ると、和花さんに出会った時に衝撃を受けたのは、まさにそれを体現している人が現れたからだったのかなって。


━━ある意味「ありのまま」ってナマモノだから、それを見せた時にどう思われるのか、何か言われて自分が傷つくんじゃないかと思う怖さもある。そのためには”強さが必要だ”と、これまでのひろみさんは思っていたのかもしれないですね。

そうかもしれないです。だけど、そのありのままで生きる強さのためには「自分のことを好きにならないといけない」とか「受容しないといけない」みたいな概念に囚われていたし、そういう考え方に抵抗感があったんです。「そんなの無理じゃない!?」って思ってたタイプで(苦笑)

だから、常にその気持ちを誰かに満たしてもらおうとしていた。評価を得て認めてもらう、成果を出して褒めてもらうとか。でも、外に目を向けても探した答えは見つからなかったんですよね。

自分は何に対して喜びを感じてる?
どんなことを大切に思って生きたいの?

ただシンプルに、自分の在り方を理解するだけで良かったんだなって気付くことができた2023年の夏からは、自分探しの濃度が変わっていきました。

最近また「ひろみさんからは強さを感じます」って言われたけれど、それは、純粋に自分のために意思を持って選択してきた強さであって、昔の”強さ”とは違うなって思えたんです。

弱さを隠すために、他者から認められようと頑張るんじゃなくて、自分が自分のなかにある弱さと強さ、そのふたつを理解して、どちらも自分だって一体感を感じた上で「じゃあ、自分にとってどんな選択をしていく?」って意思を持って選択できるようになった。それが私には、とても心地良いなと感じたんですよ。

そしたら自然に「私も対話者になろう」って、サービスを作りはじめていました。


繋がった、大学時代からの軸


━━対話を通して、強さも弱さもある自分を、本当の意味で受け入れてこれたひろみさん。今度は自分から他の人にも届けようと思うほど、その体験から大きな影響を受けたんですね。

実は、最近気付いたことなんですけど、私の無意識に「ライフギャップに悩む女性のサポートがしたい」っていう想いがあったんですよ。

大学生の頃、「女性の生き方/在り方」に興味があったんですよね。キャリア・結婚・出産とかひっくるめた女性のライフスタイルに注目していて、卒論で「働く女性のライフスタイルについて」をテーマに書いていました。

そう考えたら、これまで扱ってきた商品は違うけれど、人と人との間にある「もの」を通してそれを叶えるサポートをしてきたことも見えてきて。だけど最近は、もっと直接的に人に関わりたい、人の人生や、生きる本質ともっと向き合いたいって思い始めたんです。


━━そっか……。間に挟んいでた「もの」が「対話」に変わっただけなんですね。

そう!これまで自分が経験してきた仕事もすべて、今の自分と繋がった感覚で。私は、人の人生に喜びや感動を与えることがしたかった。それが私の喜びでもあったから。だから、ないと思っていた軸はちゃんとあったんですよね。

対話を通して私が体感してきた「心地良さ」も「自分で選択できる」ということも、これからも大切にし続けたい。そんな対話ができるきっかけが、もっと日常にあればいいなって思ったんです。

「本当は何をやりたいの?」それを問い続けて、対話し続けたら、子どもと過ごす時間や日常生活、目の前の景色は同じだけど、180度変わったような気持ちになった。そうやって、「変わらなくてもよかったんだ」って、やっと認められた私みたいに、そんな人が一人でも増えたら良いなって思うんです。


Beyond the life /感じた先にある自分の人生を


━━改めてこれまでを振り返った今、新たな節目に何を想っていますか?

この一年、対話を通して自分を知っていくなかで、それまでバラバラだと思っていたことが繋がりはじめている感覚がしているんです。自分では気付いていなかったけど、私にとっての対話は時間は、自分のなかにあったコア(芯)を確かめてきた時間だったなって。


━━そのコアとは?

会社員を辞めて、フリーになると決めた時から置いていたテーマ「Beyond the life(自分の可能性を超え続けていく人生を選び生きていく)」です。

ずっと言語化できずに、でもなんとなくこれなんだってコンパスとして持っていたけれど、改めて今の自分にとって大事にしたいことだなって。

━━大事にしてきた想いに気付いたからこそ、これからも大事にし続けることが出来る。この一年のプロセスを経て、その想いがより一層強くなっているように感じます。

これからは、ありのままで生きられる人を増やしたい。そこに正解不正解もないし、いろんな感情が生まれると思うけれど、例え勇気が必要な選択だったとしても、自分を知ればその勇気はついてくる。それを越えて「自分でどう人生を選択していくか」だけだから

そのためにも、自分のサービスを含めて、今よりもっと対話が日常に当たり前になっていたら良いなって思います。私にとってDANROという場所が対話を体験して自分を知る時間になったように、もっと日常に、もっと身近に、他にも対話ができる場を作りたい。そんな毎日が送れるように、これから自分のサービスも届けていきたいですね。

━━ひろみさん自身、これから先も、対話を通してどんな自分と出会えるのか楽しみですね!

ワクワクですよ!だって、対話には終わりがないから。それってつまり、自分のことを知ることに終わりがないのと同じなんですよね。自分らしさを再発見することで、目の前の景色は同じだけど、変わって見えてくる。

そうやって「変わらなくて良かったんだよね」って、自分を認められて、人生がもっとワクワクする人を一人でも増やしていきたいし、私もそんな人生を歩み続けたいなって思います。

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