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Column_s#10 おすすめ鬼ごっこ③「氷鬼」


 休み時間の子どもの遊びの“ド定番”といえば・・・それは、今も昔も鬼ごっこ。私が現職時代に、よく子どもたちと行っていた鬼ごっこの紹介シリーズです。


おすすめ①「増やし鬼」はこちら

おすすめ②「ケイドロ」はこちら

おすすめ④「手つなぎ鬼」はこちら

おすすめ鬼ごっこ③「氷鬼」

我が家の娘が通う保育園でもやっているほど、非常に簡単な鬼ごっこです。しかし、この鬼ごっこのルールに内在する価値はなかなか高いです。教育関係者の皆さんは、よりよい学級経営・学級づくりにぜひ生かしてみてください。そうではない方は、「昔よく遊んだなあ」と懐かしんでもらえると嬉しいです。

ルールは?

◆鬼にタッチされたら、逃げていた子はその場から動けなくなります。(氷ります)。

◆他の子が体をタッチしてくれたら氷がとけて晴れて自由の身になれます。また逃げられます。

◆つまり、鬼から逃げる子たちは、鬼を気にしつつ、氷ってしまった仲間を助けるという二つのタスクをこなす鬼ごっこです。

この鬼ごっこのよさは?

◆一つ目は、あちらこちらで、氷った友達を助けるという「やさしさ」が発生することです。「やさしさ」のハードルが低いというのが一番のよさですね。自然発生的な子ども同士の関わり合いがあり、楽しく遊びながら「ありがとう」「うれしい」と感じるのは、心が育つ格好の場面です。

※日常の学習や放課後の時間でも、このように「やさしさ」が発生してほしいわけですが、そうもいきません。そんなに子どもたちは、いつでもやさしくはないのです(笑 語弊があると困るので補足すると、子どもはみな本来やさしさを心に秘めています。けれど、相手のことを気遣うよりも、自分の思ったことをしゃべり、自分のやりたいことをする方が圧倒的に「楽」なのですね。だから表面的には、やさしさよりも強い言葉が飛び交い、気の合う仲間だけでつるみ異質な子を排除しようとする姿の方が優位に表れてしまいがちです)。だから、こういった遊びの中でたくさん「やさしさ」を経験させてあげ、「やさしさ」がだんだんとその集団の文化なり習慣として根付いていくことを目指したいのです。

◆二つ目は、一度鬼にタッチされても、助けてもらえばまた復活して逃げ続けることができる点です。増やし鬼は、一度タッチされると鬼に変わらなければいけません。子どもの多くは、やはり鬼になりたくありませんから、その点も氷鬼のよさですね。

この鬼ごっこのポイントは?

◆友達があまりいない子などは、一度タッチされるとずっと氷ったまま…ということが起こります。先生は、一緒に遊ぶ場合はそういう子を積極的に助けてあげると良いでしょう。

◆いつまでも先生だけが助ける、という姿は理想的ではありません。願う姿としては、誰であっても自然と助け合える子ども同士の関係づくりですね。ですから、先ほどの場面では、「〇〇さんがずっと氷っているから助けてあげて!」とさりげなくまわりにいる子たちに声を掛けるとよいです。

◆氷鬼は、全員が氷ってしまうと終了です。しかし、鬼の人数にもよりますが、案外エンドレスで続く場合があります。「ちょっと飽きてきたな…」「雰囲気がだれてきたな…」というときには「増やし氷鬼」というルールにすることもできます。3回鬼にタッチされたらその子は鬼になり、捕まえる側にまわります。つまりオニが増えていくので「増やし氷鬼」です。
(タッチ1回目で氷る→助けてもらう→タッチ2回目で氷る→助けてもらう→タッチ3回目で鬼)

<氷鬼の派生バージョン>

基本のルールは氷鬼ですが、「氷るときの姿」と「氷った仲間を助けるときの仕草」を変えることで、随分と雰囲気が変わります。低学年だったら、これだけで別の遊びが始まったと感じ、またモチベーションも高まりますね。

ろうそく鬼

◆鬼に捕まった子は、胸の前で両手を組み、人差し指だけを立てろうそくのポーズを作ります。助けるためには、仲間はその指先に「ふーっ」と息を吹きかけます。(指先に火が付いていて、それを消すという設定です)
◆一生懸命息を吹きかける姿はとても可愛らしいです!

バナナ鬼

◆上に書いた「ろうそく鬼」とほとんど同じです。違いは2つ!
◆1つ目の違いは、鬼に捕まった子の待ち方です。バナナの形を模して、両手を頭上にあげくっつけます。そして、バナナのように体が曲線になるように傾けます。
◆2つ目の違いは、捕まった子の助け方です。捕まった子に近付き両手のあたりから腰のあたりまで、バナナの皮をむくような仕草を「ペロンっ」としてあげます。そうしたら、固まっていた子は復活します。

魔法鬼

◆鬼に捕まった子は、氷鬼と一緒で、その場で動かずに立っています。
◆魔法鬼の場合、助けるためには2人の力が必要になります。2人は向かい合って手をつなぎ一つの輪を作ります。そして、固まっている子の頭上から、その輪を足元までくぐしてやります。
◆誰かを助けるために、子ども同士が手をつなぐという触れ合いが発生するので、子ども同士の関係づくりとして有効な鬼ごっこです。


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