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夏は営業しない、と決めた日

コンセプトが決まると、「やらないこと」が自ずと決まってくる。

この記事でも触れた通り、
ぼくらはこの地の空気と心地に惹かれ「nagi」という店名にし、
日々感じる「循環」を大切に店づくりをしている。

実はというと、ぼくらはこの地の秋〜春については過去に過ごしたことがあったのだけれど、
梅雨、そして夏での生活は移住して今回が初の経験だった。

この体験で、ぼくらは「梅雨、夏は営業しない」と決めた。

理由はシンプルに、それまでは互いの会話に頻出していた「凪だねー」という単語がこの期間は一切発せられなかったからだ。

もちろん、梅雨や夏はそれはそれでいいところもあるけれど、
ぼくらが惹かれて店名にまでした「凪」というのからはどうしても遠ざかるような気がしている。

この選択をすることで、営業日が減ることになるし、ハイシーズンでもあるから売上面で機会損失は大きい。

夏はお盆休みもあり、長期休暇がとりやすいから、「遊びにきたよ」と各地の友人たちが寄ってもらえやすい季節でもあると思う。

それでも、ぼくらはコンセプトとの整合性を優先することにした。

この期間は何をしようか悩むところではあるけど、思いっきり休暇にあてるもよいかなと思う。

もしくは、過去に来店されたことのあるお客さんだけに予約制にしてオープンするのもいいかもしれない。秋〜春のnagiを知っている方には、夏のnagiも知ってほしい。

ゆっくり考えてみたいと思う。

風が、夏の終わりを告げている。

あたりで聞こえてくるのは、セミの声からスズムシの声へと変わっていた。


10年先、20年先、未来の住民のために木を植えます。