――美人は本当に損だ|漫画『貧乏男爵令嬢の領地改革~皇太子妃争いはごめんこうむります~』
王家主催のパーティーにて。
皇太子であるランディー殿下は婚約者を決めるにあたり、そう、宣った。
見目麗しく、剣の腕も確かと言われる皇太子であったが、頭はイマイチ、という噂は本当だったのか。
そんな皇太子の候補者は10人。
次々に皇太子の婚約者だと有力視されていた令嬢の名前が上がる。
そう油断していたその時。
自分の名前が、呼ばれた。
心の中で、ミリアージュは叫ぶ。
確かに、ミリアージュは美しい娘だった。
しかし、彼女はその恩恵に預かったことなど一度もなかったのだ。
いやらしい目で見てくる男たち。
身分の低い男爵家の令嬢では、それを拒むこともままならない。
そして、それを見て女たちは「殿方を漁っている」と囁やきあっている。
――ここには敵しかいない。
領地でのミリアージュは、太い眉とそばかすを描き、地味な格好をして「リア」として学校へ通っていた。
野暮ったいミリアージュは同級生からバカにされるが、それでもいやらしい目でみられるよりはマシだ。
授業が終われば、ミリアージュは教会図書館で過ごすのが日課になっていた。
しかし、今日はいつもと様子が違う。
恐る恐る入った教会図書館には、いつもの常連2人と、知らない男性が、1人。
教会図書館と併設されている教会孤児院の子どもたちに本を読んであげる為に本を持ち出そうとしたミリアージュを、その知らない男性が呼び止めた。
すぐに男性の真意を読み取ったミリアージュは、建物の外もまだ教会の敷地内であることを告げると男性は「詭弁というものでは……?」と返してきた。
詭弁なんて難しい言葉を使うことをミリアージュが指摘すると、男性は、普通は使わないのか、と慌てていて。
“女は男を立てるもの” “女に学問なんて必要ない”それは、ミリアージュが言われ続けた言葉だった。
ミリアージュの言葉の意図がわからない様子の男性に、彼女はもっとわかりやすく
と、問いかけた。
これなら、意味がわかるはず。
そう思っていたミリアージュに、男性は彼女の想像をしていなかった返事をした。
こんな人もいるんだ。
容姿だけしか見なかったり、学ぶ意欲を否定するような男性ばかりだったミリアージュにとって。
それが、初めて、もっと話がしたいと思える“ディア”との出会いだった。
※1巻がKindleUnlimitedで配信中
(2024-11-06現在)
“ハズレポーション”の作者さんの作品だっ!
著者は よねやませつこ
女性向けの漫画を中心に活動されている作家さんです。
初読みだったけど、絵が可愛かったー!
原作は 富士とまと
女性向けライトノベルを中心に活動されている作家さんです。
本作は同名小説のコミカライズ。
富士とまとさんの作品はコミカライズ版ですが『ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました』も読んでます!
こちらも面白い!しかも現在(2024-11-06)6巻までKindleUnlimitedで配信しています。
出版社は 一迅社
掲載誌・レーベルは ZERO-SUMコミックス
発売日 2023年04月
既刊3巻。完結済。
え? これで終わり?
なの?!
いや、終わってるっちゃー、終わってるんだけども。
もう1作2作このノリでイケるでしょ?!
魅力的なキャラクターだし、ぶっちゃけ2人の仲もまだまだこれからだし。
皇太子の婚約者候補として仲良くなったファエカと将軍のその後だって気になるー!!!
と、とっても楽しかったけど消化不良なとこも多い作品でした。
原作は未読なんですが、なろう版はコミカライズ版と同じ感じで終わっているんだよなぁ…
容姿に頼らず(上手く利用できる性格じゃなく)、知性で道を切り開こうと奮闘するミリアージュがとても魅力的でした。
そして、ミリアージュと仲良くなる、将軍にほのかな恋心を抱き、彼に会えると期待しながら王都へやってきたら皇太子の婚約者選びの場だった…と、完全に塩状態のファエカも良かった。
ストーリーはあらかた察しが付くものの、キャラクターも魅力的だし、もう少し、チャラくない皇太子と猫を被ってないミリアージュの色々を見たかったなぁ。
面白かっただけに「もっと読みたかった」が止まらない作品でした!