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私と和泉さんが友達じゃなくても同じセリフが言えますか?|BL漫画『恋ではないと思いたい』


幼馴染の和泉宗太は、顔が綺麗で、元サッカー部のエースで、ミステリアスなところが良い、と異性にモテる。

でも、実際は

「女子がよく言う「物憂げな顔」は だいたい眠いだけだし 女子に手を振るのも反射だし 髪のセットもほぼ寝ぐせだし ピーマン嫌いだし」

『恋ではないと思いたい』

そんなマイペースでフラッとどこかへ行ってしまう宗太を“回収”してくるのが、幼馴染で行動パターンを知っている遠野恵一の役目。

「彼女とか作る気ねーの?」と友達に聞かれても

「恵一がいるから 別にいい」

『恋ではないと思いたい』

と答える。

そばにいると動悸がしたり、宗太の言葉に一喜一憂してしまうのは。
恋ではない。恋ではないと思いたい。

いつものように、姿を消してしまった宗太を迎えに恵一が保健室へと行くと。

珍しく宗太が女子生徒と笑いながら話しているのを目撃してしまう。
女子生徒は、保健室常連の“虚弱体質の桜庭さん”。

「ん」「うん」「あぁ」の3パターンでしか返さない宗太が、ちゃんと会話をする上、笑顔を見せるほど親密な女子生徒の存在に恵一は動揺する。

「変な嫉妬とかやめてくださいよ」

『恋ではないと思いたい』

突然、核心を突く言葉に恵一は慌てて

「友達が増えるのはいいことじゃん! 仲良くしてやってよ」

『恋ではないと思いたい』

と、取り繕ったが。

「…そうですか じゃあ遠野さん 私と和泉さんが友達じゃなくても同じセリフが言えますか?」

『恋ではないと思いたい』

この作品が初のBL単行本

著者は 澄谷ゼニコ
BL作品を中心に活動されている作家さんです。
本作が初のBL単行本(その後複数のBL作品を発表)。この作品の前は、女性マンガを描かれていたようです。

出版社は フロンティアワークス

掲載誌・レーベルは リラクトコミックス

発売 2020年06月
既刊1巻。完結済。


甘酸っぱいーーー!!!

BL作品と、言っても、基本プラトニックな甘酸っぱい学園モノです。

モテるけど、マイペースで異性に興味なさそうな宗太と、モテるが故に本当は告白を断るたびに落ち込む宗太の本音を知っていて、自分の気持ちを押し付けたくないと思っている恵一のモダモダした感じが基本筋で。

そこにスパイス的に、登場する桜庭さんの存在が良い。

これ、内容のせいか、BLに組み込まれている場合と、女性向けコミックに組み込まれている場合があって、「え、誰とどうなるの?!」ってずっとハラハラしながら読んだんだけど。

途中、え、桜庭さんとどうにかなる可能性ある?とかも思ったりしたんだけど。

桜庭さんは一貫して宗太の気持ちを知ってて「はよ、くっつけ!」ってなってるんだよね(笑)。
少し(いや、かなり?)「めんどくせぇ!」って態度だし。

この勢いあるキャラクターに押されてストーリーがぐんぐん展開するのが爽快です。

学園ものって、あまり積極的に読むジャンルではないんだけど。たまに読むと楽しくなっちゃうんだよね。
やっぱり学園ものは甘酸っぱくなくちゃ!

ああ楽しい。


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