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ここで祈ったから神様に届いたんですかね|漫画『ホテルメッツァペウラへようこそ』第4巻

舞台はイケメンの宝庫、スカンジナビア半島にあるフィンランドのラップランド。 

ある雪の日。

そこにある小さなホテル・メッツァペウラに現れた日本人の少年・ジュン。

決して粗暴な性格ではないジュンだが、全身に刺青があったり、色々と事情を抱えていた。

ホテルの従業員であるアードルフとクスタはそれを察していながらも、ほとんど荷物もなく、施設で育って心配している家族もいない、というジュンをホテルマンとして雇うことに決める。

こうして、異国の地でホテルマンとなったジュンは、アードルフやクスタ、またホテルを訪れる人たちと関わり合いながら、様々なことを体験していく……

これまでの感想はこちら。

クリスマスが近づき、ホテル・メッツァペウラもその準備に追われている。

ホテルマンの仕事に慣れてきたジュンも、従業員の1人としてクリスマスに迎えるゲストの準備をしていた。

続々と人々が集まり、迎えるクリスマス。
ジュンは初めて楽しいクリスマスを過ごす。

そして、クリスマスに墓参りをするフィンランドで、アードルフが墓地で見つけたのはジュンが持っていた狼のぬいぐるみと同じぬいぐるみ。

それは、ジュンがフィンランドに来ることになった彼の母親の行方を探す手がかりになるものだった。

しかし、

「でもあの 実は僕のビザが もうあと残り2ヶ月もなくて……」

残された時間は少ない。
そんなジュンにアードルフやクスタがした提案は――


それぞれのキャラクターに動きが出てきた

ジュンの過去や、ここへ来た母親を探すという目的。
今まで誰かと関わることで少しだけ垣間見えていただけのものが、グッとストーリーの前面に出てきたな、と。

そこへ折り重なるように、アードルフの過去や、クスタの過去も出てきて、ジュンという存在がこのホテル・メッツァペウラにちゃんと根が張れたことがわかる。

この巻で1番印象的だったのはジュンのこのセリフ。

「僕の住んでいた街は人がいつも急いでて 狭くて 騒がしくて 僕が声を上げても 誰も振り返らないような所ですけど
ここは静かで 空気が澄んでて
ここで祈ったから 僕のちっぽけな声でも…… 神様に届いたんですかね」

この作品を表したセリフでもあるなあ。

何だか映画のワンシーンみたいだった。
そして、クスタの娘・ファビーが「大人っぽくなったね」というジュンは美しかった。

ビザが切れてしまう。
ジュンがせっかく生きられる居場所を見つけたのに。
ずっと居られると良いのになぁ。

https://room.rakuten.co.jp/fantasia.triumph/1700216074543820


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