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元気があれば何でもできる!|漫画『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』

作画 尾羊英による、『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』中村颯希の同名小説のコミカライズ作品です。


皆に愛される雛女(ひめ)と疎まれる雛女のとりかへばや物語

舞台は詠国後宮内“雛宮(すうぐう)”
雛宮とは、雛女(ひめ)と呼ばれる妃候補を集めた次期妃育成の場所。

主人公である、黄 玲琳(こう れいりん)は現皇后の姪であり、従兄弟である皇太子の寵愛を受け、本人も容姿端麗で優秀。人柄も良い。
非の打ち所のない、妃候補だ。――ただひとつ、身体が弱いことだけを除けば。

一方、『雛宮のどぶネズミ』と呼ばれる朱 慧月(しゅ せいげつ)は苛烈な性格、派手な格好、後ろ盾のない立場で雛宮の人間からは疎まれ、蔑まれていた。

それは、刺繍の上達を願う乞巧節の夜。
一際大きな流れ星が流れた時。

「忌々しい女! 消えるがいいわ!」

『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』
第1巻

突如、慧月が玲琳に飛びかかり、玲琳を高楼から突き落とした。

皆のいる前で。

次に玲琳が目覚めたのは、まるで牢のような場所。
視界に入ってきたのは、自分付きの女官である冬雪。

名を呼んだ玲琳に冬雪が驚くべきことを言った。

「我らが雛宮の華 玲琳様を傷付けたその罪 命をもって償いませ」

『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』第1巻

そして、冬雪は玲琳をこう呼んだのだ。

――朱 慧月様、と。


中村颯希による奇想天外ヒロインストーリー


作画は 尾羊英
オリジナルの連載作品もあるようですが、女性向けライトノベルのイラスト、BLを含むアンソロジーでの読み切り漫画が多い作家さんのようです。

原作は 中村颯希 

中村颯希は『貴腐人ローザは陰から愛を見守りたい 』の原作者でもある。
こちらも大変面白かった。

ぶっ飛んだ発想をする、奇想天外ヒロインを魅力的に書く作家さんだ。

出版社は一迅社

掲載誌・レーベルはZERO-SUMコミックス

発売は2021年06月

既刊4巻。連載中。


愛され雛女の正体は、たくましい女子だった?

慧月として、玲琳を高楼から突き落とした罪で罰を受けることを告げられた玲琳。

自分が慧月ではなく玲琳であることを釈明しようとしても、入れ替わりに関わる言葉が何一つ発声することが出来ない。

誰もいなくなった牢の中で、炎のゆらめきから玲琳の身体を使った慧月の幻影が姿を現す。

慧月は道術使いであり、その術をもって今回の入れ替わりを実行したのだ。

「あなたは観衆の身体侮蔑と嘲笑にまみれて
みじめに死ぬのよ
さようなら黄 玲琳 薄汚いネズミに囲まれて
せいぜい死の足音にう怯えて過ごすといいわ」

『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』第1巻

そう言って、炎の中に消えていった慧月。

あまりのことに気が遠くなりかけて……玲琳はあることに気がついた。

腕が痺れない…
息…上がっていない
脈は…推定六十!
なんということでよう!
これまで油断すれば気絶する わたくしでしたのに!

『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』第1巻

薬に頼らなくても、何に気を使わなくても健康な身体。

それは、何でも持っていると思われていた玲琳が何と引き換えてでも、喉から手が出るほど欲しかったもの。

何をしてもすぐに体調を崩す身体を渡してしまい、慧月に申し訳ないと思いつつも、慧月の健康な身体で夢の自助努力生活が送れる! 

誰に顧みられることがなくても、誰に気を使わなくても良い生活。

それは、玲琳が初めて手にした自由。

持ち前の鋼の精神で周りを変えていく、型破りな悪女・玲琳の行動が楽しい、とりかへばや物語です!


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