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さあ、楽しいことをしましょうか|BL漫画『鬼と天国』

※この作品はBL漫画です。

どこで見たか忘れちゃったんだけど、この漫画、評価高かったんだよね。

昔々は“やおい”(=山なし、オチなし、意味なし、の意。性描写しかない、ということ)なんて呼ばれていたジャンルだけど、1ジャンルとして確立した今では、骨子のあるストーリーじゃなきゃ生き残れないジャンルになったわね。

ただ、BL漫画の人気作品は、やや病み系が多いのが個人的には難点。

基本的にコメディでハッピーエンドが好きなのよ。

この『鬼と天国』も、やや病み系ではあるものの、そこまで重い話ではありませんでした。

舞台は、とある男子高。

主人公の青鬼(あおき)は、特に不真面目でもないけど、やる気に溢れているわけではない国語教員。

担当しているクラスの葛西が、遅刻や無断欠席が増えたと学年主任にどやされ、彼が登校している時にいる保健室へ様子を見に行く。

葛西は早退して保健室にはおらず。
そこにいたのは、養護教諭の天獄(てんごく)だけだった。

「“理由があるはずだ”
――と 学年主任にでも言われました?
それとも直接保護者からクレームが?
あるいは両方からでしょうか?」

上巻

青鬼は、直球な言葉で、自分のことを見抜いていく天獄のことを、反射的に苦手だ、と確信する。

苦手だ 天獄学!
この春に赴任してきて以来
会話らしい会話を交わしたことはない
しかし苦手なものは苦手なんだ
この男の――
この男の 視線が

上巻

そして、天獄は「青鬼先生 僕のこと 苦手でしょう」と青鬼のその心も見抜く。

「それにしても
葛西くんが青鬼先生のクラスの子でラッキーでした
こんなふうに二人で話す機会があればと
ずっと思っていたんですよ」

上巻

その言葉の真意を掴みかねる青鬼に、天獄は保健室に関する噂を持ち出す。

それは、“保健室に行けば童貞を棄てられる”というもの。

「知りたいですか? 詳しく」

上巻

青鬼を待ち受けるのは、天国か地獄か――


本作がデビュー作の作画担当

作画はお吉川京子。
驚くことに、この作品以外の配信作品がありません。本作がデビュー作のようです。

原作は阿賀直己。
本作の他にもBL漫画の原作を手がけていらっしゃいます。(本作の小説版はありません)
小説も書かれていましたが、ジャンルは女性向けライトノベルでした。
BL小説は書かれていないようです。

ちるちるに、お二人のインタビューがありました。

https://www.chil-chil.net/compNewsDetail/k/801authors108/no/19449/

 出版社は竹書房。

レーベルはバンブーコミックス Qpaコレクション。

既刊は上下巻の2冊に加え、続編である再の計3冊。連載中。


個人的には再が好き

あらすじについては、作画のお吉川京子さんのTwitterも掲載しておきます。(※キャンペーンは終了しています)

個人的には、上下巻については普通のBL漫画、再はストーリーに深みがあって面白かった、という印象です。

まあ、私の好みが大きいし、上下巻という土台がしっかりしていなければ、再という続編に繋がらない訳ですが。

上下巻ではミステリアスな天獄と、それに翻弄される青鬼、という構図がほとんどだったのに対して、再では天獄の本性があらわになってくるところが面白い。

お互いのトラウマに関する話も重苦しくなく、大人らしく曖昧に越えていくところが良いです。

現在は更に続編である“及”が連載中。
続きがとても楽しみです。


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