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わたしが閉じこもっていた鳥籠を、あなたがひらいた|漫画『惑いの鳥籠』第2巻

オスマン帝国のような架空の帝国・エルトゥールル帝国。

ここでは、皇太后の息子である第二皇子・イブラヒムと第一皇子・ジハンギルの皇位争いが行われ、第二皇子・イブラヒムが皇帝に就いた。

宮殿の奥の後宮で、主人公の女官・エミーネはラレンデ君侯の子息・バヤジットに声をかけられる。

バヤジットの目的は、エミーネに後宮で見聞きしたことを教えて欲しい、ということだった――。

これまでの感想はこちら。

「これを 後宮にいる皇女に渡してほしい」

『惑いの鳥籠』第2巻

第五宰相・ラフィークから書簡を渡されるエミーネ。

皇女とは、第二皇女・イェシルのことだ。

「お…お待ちください 第二皇女はたしか 兄君のジハンギル殿下と ともにムスル州に…… 後宮にはいらっしゃらないはずでは……?」

『惑いの鳥籠』第2巻

ラフィークはエミーネの疑問を否定する。
何故なら、皇太后から皇女をラフィークに降嫁させると話があったからだ。

しかし、それでも謎が残る。

降嫁が決まっている皇女と、何故、密かに連絡を取らなければならないのか。

その問いに答えようとするラフィーク。
しかし、それをバヤジットが遮った。

「エミーネ
――私たちは第一皇子ジハンギル殿下を皇位にお就けしようと考えている」

『惑いの鳥籠』第2巻

現在の皇帝は、第二皇子であったイブラヒム。

それはつまり、政変を意味する。

エミーネは、バヤジットが何故、皇太后の女官である自分に近づいてきたのかを悟った。

そして、この書簡を渡そうとしたことが皇太后に知られたら、命はない。

それでも。

「ご安心ください 必ず書簡を第二皇女様にお渡しします」

『惑いの鳥籠』第2巻

『囚われの歌姫』とのリンクが楽しい

『惑いの鳥籠』はエルトゥールル帝国シリーズのコミカライズ3作目ですが。

コミカライズ1作目の『囚われの歌姫』と時間軸が一緒なので、リンクしてるのが楽しい。

ラフィークがエミーネに第二皇女・イェシルに書簡を渡すことを依頼するんだけど。

バヤジットはそれに反対するのね。

そりゃそうよね。エミーネにとっては命をかけたことだから。
それでも、やる、と言ったエミーネにラフィークは「さすがバヤジットが推しただけのことはある」とか言ってるんだけど。

結局、エミーネは皇太后に近い立場にいるので、イェシルに警戒されて書簡は渡せなかったのね。

で、他の人間を立てなければ……ってとこは『囚われの歌姫』に出て来るんだけど。

ラフィークの家にいたセルマが語り部として後宮に入りイェシルに書簡を渡すことになると

「お言葉ですが あの後宮に妻を行かせたい男がどの世界におりましょうか」

『囚われの歌姫』第3巻

って、ジハンギル殿下に拒む拒む。(※この時、セルマはまだ妻じゃない)

エミーネとセルマでは立場が違うとはいえ、ラフィークひどいな……

この場にバヤジットはいなかったけど、いたら絶対「お前!!」ってなってたパターン(笑)。

まあ、結局セルマが書簡を渡すんだから、痛み分けか。

そんな、視点の違いを楽しめるのも、このシリーズの楽しみだと思います。

おそらく次の巻で完結。エミーネのストーリーがどんな結末を迎えるのか楽しみです!



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