言葉にすると 軽すぎて飛んで行ってしまいそうだから|漫画『ホリミヤ』
クラスの教室。
主人公の堀 京子は友人のユキと、あるクラスメイトの後ろ姿を見ていた。
宮村は、細身でメガネをかけ、長い髪で顔はよく見えない。
フィギュアとか見てニヤニヤしてそう。
本当はどうか知らないけど。
一方の京子は、見た目が派手で、人づてに他校の男子が連絡先を聞きたがるほどの人気者。
ユキの誘いを断って、京子はまっすぐ家へと帰る。
おろしていた髪を結い上げ、家の掃除をして、保育園へ弟を迎えに行き、夕飯の支度にとりかかる。
京子は学校での派手な姿とは違い、私生活は至って地味なのだ。
慣れてしまえば、どうということはないけど。
学校の時とは違う姿を、あまり友達には見られたくない。
そんなある日。
弟・創太が、若い男性に付き添われて、「転んだ」と言って怪我をして帰ってきた。
お礼をしたいので、と男性を家にあげる京子。
男性は京子と同じくらいの年齢で、長い髪を結い、たくさんのピアスをしている。
コーヒーを出して、世間話をしていると
……ん?
京子が動揺していると「あれ? 堀さんですよね? 1組の…」と追討ちをかけるような言葉が飛び出した。
これが学校で見る“宮村”と同一人物――?!
学校では見せない姿を、知った2人が少しずつ距離を縮めていったり、仲間が増えていったりする、青春微炭酸系ラブストーリー。
漫画をコミカライズという珍しい作品
作画は 萩原ダイスケ
配信作品は、本作他1冊少女漫画がありましたが、本作連載開始後の発売のものなので、本作が商業誌デビュー作品になるのかと思います。
原作は HERO
本作は『堀さんと宮村くん』というWEB漫画(の書籍化)のコミカライズ。
原作も、漫画なのだが、WEB漫画なので1〜数ページの短いエピソードがランダムに出て来るスタイル(初期はある程度ストーリーとして並んでいるが)。
それをストーリー仕立てにした、という、“漫画をコミカライズ”珍しいスタイル。
ちなみに、『堀さんと宮村くん』は全10巻。完結済。(KindleUnlimitedで2023-08-20現在3巻まで読める)
その続きである『堀さんと宮村くん』は全15巻。完結済。(KindleUnlimitedで2023-08-20現在1巻が読める)
本編と、おまけを合わせると全25巻という、相当なボリュームの作品だ。
原作終了後も青年マンガを中心に活動されている。
出版社は スクウェア・エニックス
掲載誌・レーベルは 月刊Gファンタジー
発売は 2013年05月
既刊17巻。完結済。
KindleUnlimitedで3巻まで読むことができる。(2023-08-20現在)
本編は16巻(2021年7月発売)で終了している。
その後、コミック未収録の作品を集めて2023年7月に17巻が発売した。
アニメ化は2021年に1度されている。
現在、1度目に入り切らなかったエピソードをまとめて2度目のアニメ化が放送中である。
読んでるこっちも楽しくなる青春漫画
基本筋は『彼氏彼女の事情』のような
『ハチミツとクローバー』のような
足して2で割って、日常系にした、といった感じです。
あまり、暗い話を深堀りするでもなく、下らないことを言いながら、何となくみんなでいると楽しい、みたいな。
“軽い”部分を読み応えがない、と取るか気軽に楽しめるエンタメと取るかで評価は分かれるかもしれませんが、私はこの雰囲気とても好きです。
特に、好きなキャラクターは、生徒会長仙石くんの彼女のレミちゃん。
ピンクのツインテールで、小悪魔系の可愛い、男子に人気の女の子。
たまに思わせぶりな発言で場を引っ掻き回すこともあるけれど、実際は男子にちやほやされることには冷めていて、親友である桜を大事にしているし、彼氏である仙石くんのダメなところもちゃんと好きな芯のある女の子で、彼女のエピソードはとても読んでて好きです。
キャラクターそれぞれが好きな人がいたり、人には言わない事情があったり、ちょっと拗れたりする時はあるんだけど。
下らない嘘をついたり、からかい合ったりして、こんな学生生活楽しいだろうなぁ、と読んでるこっちも楽しくなる作品です。
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