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なんで!?あの人 私のこと好きじゃないよね?|漫画『わたしの苦手な彼』


道野結月は入社2年目の会社員。
経理に所属する彼女は、憂鬱な日々を送っていた。

友人たちは、少し前まで一緒にドラマや漫画に夢中だったはずなのに、みんな現実に恋人が出来そうな予感で楽しそう。

そりゃあ私だって
現実の男性と恋愛したい気持ちがないわけじゃない

『わたしの苦手な彼』

しかし、社会人になって自由な時間もない。

日々顔を合わせるのは、理不尽で、何かと彼女を馬鹿にしてくる尊敬出来ない上司と。
月に一度、経理処理の指導に来る顧問税理士の冷徹指導員。

仕事は辞めた先輩の穴埋めでわからないことだらけな上に、後輩の教育までさせられている。

頑張っているのに
思ったようには なかなかいかない

『わたしの苦手な彼』

仕事のミスが続き、上司に散々詰られた後。

心が折れそうなところへ、急な予定変更で月末の経理指導が入り、そこでもまた、顧問税理士の吉川にミスを指摘され、遂に結月の我慢は限界を迎える。

「私だってちゃんとしたいって思ってます…!
でも求められているレベルに 自分の能力が全然追いつかなくて…っ」

情けなくて 恥ずかしくて こんな自分が 心底嫌になる――

『わたしの苦手な彼』

泣いている結月にハンカチを手渡し、吉川は、結月が、辞めた先輩社員・城田と同等のレベルを求められているのがストレスになっているのはわかっていること、そして彼はそれを求めても期待もしていないことを伝える。

それよりも彼が気になるのは、結月の仕事に対する心がまえであり、自分の評価を変えたければ、小さなことから積み重ねるべきだということ。

「辞める時に 惜しまれるような人間でありたいと思いませんか?
あなたにとって それが会社で認められるということではないのですか?」

『わたしの苦手な彼』

吉川のその言葉をきっかけに、結月の仕事に対する姿勢に変化が現れる。

頑張る、と決めた。
そして、少しずつ結月が変化をしていくと、滞っていた毎日が少しだけ好転していっているように思えた。

そして、月に1回の経理指導の日。
それまでに何度も吉川へ質問の電話をしたりしたものの、今までで1番の手応えを感じる結月。
わからないところも、理解が出来た気がする。

時間は正午を過ぎ、お昼休みに入った。
経理指導が終わり、吉川は見送る結月を振り返り

「正午を過ぎたので 仕事以外の話をしても大丈夫ですよね?」

『わたしの苦手な彼』

突然の吉川の言葉に、返事が出来ない結月。
そして、吉川は驚くことを口にした。

「私と お付き合いして頂きたいのですが」

『わたしの苦手な彼』

※Kindleをはじめ、各電子書籍サービスで2巻まで2023-11-11まで無料配信中


作者初のコミカライズ作品

作画は ダダ
初のコミカライズ、とご本人がX(旧Twitter)で仰ってます。

本作以外の配信作品はありませんでしたが、新しくコミカライズ作品の連載をされているようです。


原作は イアム
本作は、イアムの小説『コーヒーに角砂糖の男』のコミカライズ版。

原作小説は、小説エブリスタ歴代1位を記録した人気作品『コーヒーに角砂糖』の書籍化。
他にも書籍化、コミカライズされた作品が多数ある。

出版社は 双葉社

掲載誌・レーベルは ジュールコミックス

発売日 2022年08月
既刊6巻。完結済。


タイトル変わってるじゃん!

かくいう私も、小説エブリスタで『コーヒーと角砂糖の男』の連載を読んでいたクチでして。

書籍化の原作小説も、電子書籍で購入していました。

なんとなく、コミカライズをしているのは知っていたのですが、それはエブリスタ・コミックで柏屋コッコさんがコミカライズしたもので、別物。

こちらは、書籍化していないようです。
配信もエブリスタ・コミックのみのようです。

今回完結記念で電子書籍サイトに広告が出ていて。タイトルとキービジュアルを見て、「あれっ?」って。

タイトル違うけど、これ、アレじゃない? って。
アレなんじゃない?って。

見つけたから良いけどさー。
タイトル変えても良いけど、わかるようにしてよー。(原作小説のタイトル付けとくとかして)
見落としちゃうじゃん! 見落としちゃうじゃない!

そもそも、原作小説が2013年に完結、エブリスタでのコミカライズも2014年に完結。
約10年の時を経て、再コミカライズってこと?
ちょっと経緯はわかりませんが、ダダさんの作画がとても良くて、コミカライズは嬉しい!

この作品は、恋愛には奥手、仕事も上手く行かない主人公・結月が、エリート税理士・吉川に見初められるという格差恋愛的な内容。

似た作品だと、稚野鳥子『クローバー』かな。

好きでしょ?
みんな、何だかんだ言って好きでしょ?

王子様が見初めてくれる系のお話よ!!
いつもこれじゃ飽きちゃうけど、王道は王道で良いじゃない。

ただ、そんな王道の作品が沢山ある中で、何で私がこの作品が好きかと言うと。
私の好みであるオフィスラブストーリーの条件である

①ヒーローが社長や御曹司ではない
②会社の設定が無茶苦茶じゃない
③勝手に会社を抜け出したりしない

ってのを満たしてるからよ!

ヒーローが社長が御曹司のパターンは、会社員ぽくなくて嫌。
無茶苦茶な会社だと、何でそんなんで飯が食えるのかが気になるから嫌。
会社を勝手に抜け出すパターンは、フォローする身のことを考えやがれ!

と、現実に引き戻されるからです。
就業規則は(常識の範囲内で)守りましょう。

10年前の作品、ということで、少し今と感覚違うかも? というところが無いわけではないですが、私にとっては、今でもかなり良く出来たオフィスラブストーリーです。


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