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わたくしだって あなたのようになりたかった|漫画『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』第5巻

現皇后の姪であり、従兄弟である皇太子の寵愛を受け、本人も容姿端麗で優秀。身体が弱いことだけを除けば非の打ち所がない妃候補である黄 玲琳。

一方、『雛宮のどぶネズミ』と呼ばれ、苛烈な性格、派手な格好、後ろ盾のない立場で雛宮の人間からは疎まれ、蔑まれている朱 慧月。

2人は慧月の術によって入れ替わり、慧月は愛される生活を、玲琳は健康な身体を手に入れた――

これまでの感想はこちら。

雛宮でのとりかえばや物語も一段落して。

物語は新章へ。

“豊穣祭”を行う為に、玲琳と慧月は雛宮を出て南領・温蘇へ。
慧月は玲琳を頼って大急ぎで雛女としての素養を身につけているけど、本人の努力とは裏腹に未だ協力者は少ない状態。

温蘇へ向かう道中、入れ替わりを楽しみにしている玲琳に慧月は南領は術が乱れそうになるからダメだ、と言う。

「道術を使うには気が必要だけど 逆に気が強すぎてもダメなの
しかもここは気脈の乱れた地 五行の均衡を欠いた術はときに暴走するの」

『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』第5巻

そして豊穣祭当日。
二胡を披露するはずだった慧月の控室では。

使うはずだった、二胡も衣装も無惨な状態になっていた。

駆けつけた玲琳だが、絶望した慧月には届かない。

「あなたに なにが わかるのよ! あなたに この苦しみは わからない! もういや! なにもかも うんざりよ!」

『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』第5巻

わたくしだって、あなたのようになりたかった――

慧月の心からの叫びの瞬間。
2人は炎に包まれ。

「また入れ替わってしまったようですね」

『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』第5巻

最悪のタイミングで入れ替わってしまった――?!


玲琳だけがノリノリ? な5巻

玲琳と慧月はとりかえばやをきっかけに仲良く(?)なったけど。

相変わらず慧月の現状が改善したわけではなく。
これからの話はその辺が中心になっていくのかな、と。

とはいえ、5巻は新章のプロローグ的な感じなので本番はこれから、というところです。

術が暴走してしまい、入れ替わった2人。
そして、慧月の身体に入った玲琳は攫われてしまう。

残された、玲琳の身体に入った慧月と、玲琳の兄・景彰。
入れ替わりを見抜けば玲琳を即座に后にすると言う皇太子。
入れ替わりに気がついていた景彰に慧月は問う。

「…妹に妃の座を わたくしには罰を そのほうが黄家の利になるのでは?」

『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』第5巻 

その問いに、景彰は「黄家は玲琳の立妃に固執していない」と意外な言葉を言った。

「二代も黄家の后が続いたら五家の均衡が危うい 玲琳は今以上に命を狙われるだろう」

『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』第5巻

そして、「世継ぎが産めるか心配」と眉を寄せる方が他家にとって都合が良い、とも。

慧月の知らなかった玲琳の立場。

ひとまずは、景彰と共に自分を陥れようとした犯人を突き止める決意をした慧月。

その一方で。

もう一人の兄・景行と一面稲田の田舎に連れ去られた玲琳は……

な、何だか楽しそう?!


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