委ねられるか、このド変態!|TL小説『サトリ令嬢の見透かせない感情』
※この作品はTL小説です
侮れない。
侮れないわよ。KindleUnlimited。
すべてが当たりとは言えないけど、人気作品のライトノベルが結構読める。
月額980円は高いかな? と思ったけど、結局元は取れてるわ。
今回の『サトリ令嬢の見透かせない感情』もKindleUnlimitedで読みました。
サトリ、って言葉、何発の言葉なの?
個人的にはドラマ『SPEC』のイメージなんだけど。
もっと前からあったのかな?
“サトラレ”って言い方しているのも聞いたことがあるけど。
ともあれ、本作の主人公・アダリーズは、心を読み天気を操った“白き魔女”を祖先に持つ男爵令嬢。
彼女自身も人の心が聞こえる、という異能があった。
とある事件がきっかけで仲良くなった、公爵令嬢のリリアナは、彼女の兄であるディートリヒと恋人同士になるのを望んでいるけれど、どうしてもアダリーズはその気にはなれない。
次期公爵、容姿も金髪に青い目をしたディートリヒは見た目こそ王子様だが、問題は物腰の柔らかな言葉と正反対の心の声だ。
聞くに耐えない心の声から逃げるように、断り、距離を置こうとするのに、ディートリヒは逃げ道を塞ぐように巧みに迫ってくる。
一方、ディートリヒは、子爵であり公爵令息でもある自分に媚を売るでもなく、誰とでも一定の距離を置こうとするアダリーズに興味をひかれていた。
そんな中、アダリーズの兄、スペンスがアダリーズの結婚相手に良さそうな友人がいる、と言い出して――
本作が初の書籍化の作家さん
作者は朱里 雀。
本作は人気だったweb小説の書籍化。
おそらく、なろう小説だと思われます。(元の作品は削除されていましたが、連載中?の番外編がありました)
配信作品はこの作品のみ。
イラストは八美☆わん。
女性向けライトノベル、TL小説を中心に多くのイラストを手掛けています。
出版社はジュリアンパブリッシング。
CEOの鈴木 藤男氏は元新潮社部長。
しかし、出資社には、講談社や角川書店、岩波書店など様々な出版社が名を連ねているので、一概に新潮社系列の会社、とは言えなさそう。
掲載誌・レーベルはフェアリーキス。
ジャンルこそTLですが、そういう描写は少な目なストーリー重視のレーベルという印象です。
恋心は人それぞれ
このストーリーの楽しみどころは、心は読めるけどウブなアダリーズが、ディートリヒの下品な妄想を恋心なんだと、いつ認識できるか、というところ。
実際、ギャップを作るためか、ディートリヒの心の声は公爵令息にあるまじき言葉遣いなのですが、表向きのアダリーズに話しかける言葉は丁寧なんです。
様々なことをきっかけに、徐々にアダリーズもディートリヒの心の声の“意味”に気がついたり、また、“下品な妄想”に幻滅したり。
後半は少々驚きの展開でしたが、その場限りの心の声と、見えない本心に揺れ動くアダリーズの恋心が、どうなるのか、最後まで楽しく読めました。
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