記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

美味しいものは、幸せも運んでくれる|漫画『隠れ星は心を繋いで』

仕事に疲れた時、嫌なことがあった時、美味しいものを食べるって、それだけで幸せな気分になるわよね。

コンビニのスイーツでも満たされるけど、美味しいレストランがあれば、もっと満たされるというもの。
 
それは『隠れ星は心を繋いで』の主人公・アリシアも同じで、彼女は行きつけの“あまりりす亭”で夕食を食べるのが好きだった。

同じ常連の謎の男性・ノアと楽しく喋りながら、おすすめ料理を頬張る。

元気がない、と指摘するノアに、アリシアは近況を伝えた。

「実は 婚約が解消になったの」

『隠れ星は心を繋いで』1巻

婚約をしたのは半年前。
婚約者であり、子爵家の令息のフェリクスは、商人の娘で平民であるアリシアとの結婚を拒み、婚約解消を宣言してきたのだ。

彼は同じ貴族の令嬢であるキーラを隣に置き、アリシアを平民風情と罵って。

浮気をしたお前が堂々と「婚約を破棄する」とか言うな!と腹も立つけど、やっぱり、あまりりす亭の料理を食べると幸せになってしまう。

その様子をノアも呆れ混じりで見ていた。

「…まぁ食えるのはいいことだ」
「ショックで食べられなくなると思ってた? 嫌な人のせいで美味しいものを食べそこねるのは馬鹿らしいわ」
「お前ってやつは…」
「むしろ美味しいものをたくさん食べて 幸せな気持ちで上書きしなきゃ!」

『隠れ星は心を繋いで』1巻

しかし、それで話は終わらなかった。

アリシアの家の支援を当てにしていたのに、勝手に婚約解消をしてしまったことを咎められたフェリクスが、アリシアの勤める王立図書館まで復縁を迫りに押しかけてきたのである。

窮地に陥ったアリシアを助けてくれたのは、美形騎士で人気のアインハルト。

それから何度となくフェリクスと、その恋人キーラに絡まれるアリシアを助けてくれる。

しかし、アリシアは“あまりりす亭”で気兼ねなく話せるノアのことも気になっていて――?


本作が商業誌デビュー作

原作は花散ここ。
配信作品の小説は本作のみ。原作は、なろう小説の書籍化です。

他にコミカライズされた作品と、原作を手掛けたと思われるアンソロジーコミックがありました。

作画は もりのもみじ。
こちらの方も、本作の他は別の作家さんのコミカライズ作品が配信されているのみでした。

出版社は秋田書店。

掲載誌・レーベルはどこでもヤングチャンピオン。
こちらのレーベルは少女漫画、青年漫画と様々ですが、電子のみで配信している雑誌のようです。

既刊1巻。連載中。


偽るのは主人公だけじゃない

主人公が姿や身分を偽って……というのは、よくある話だけど、それは主人公の専売特許じゃない、……のが、この作品の面白いところ。 

アリシアをとりまく、いつも窮地を助けてくれる騎士のアインハルトと、あまりりす亭で楽しく夕食を食べる仲のノア。

アリシアはどちらかと言えばノアに惹かれているけど、ノアはいつも前髪で目のあたりを隠し、眼鏡をかけ、どこの誰かどころか、顔もよくわからない。

アインハルトは素敵だけど、高嶺の花すぎてチャンスがあるとすら思える相手じゃない。
でも、優しくされて思わせぶりなことを言われてしまうと、ときめいてしまう。
 
まだまだ明かされていない謎がいっぱいですが、アレってアレよね!アリシアはいつ気がつくのかしら?!と、どんなお話になっていくのか楽しみな作品です。



この記事が参加している募集

#マンガ感想文

20,138件

よろしければサポートをお願いします。