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アロイス。なにがあったって、あなたはいつまでも、私の大切な自慢の弟よ|TL小説『私の推しは当て馬です! 転生して義弟を可愛がったらめちゃくちゃ執着されました』


だが、それにしてもおかしい。アロイスの台詞が原作と全然違う。

『私の推しは当て馬です! 転生して義弟を可愛がったらめちゃくちゃ執着されました』

伯爵令嬢のユリアナは、首を傾げた。

10歳の時に庶子としてフォルスター伯爵家にやってきた異母弟・アロイスが、実は伯爵家の庶子ではなく、ヴァルツェル皇国の超名門貴族、リーゼンフェルト公爵家の庶子であり、後継者であった異母兄が廃嫡され、公爵家の後継者になるように迎えが来ている真っ只中。

ユリアナは、正に今、自分が転生者であり、この世界が前世で読んだ異世界ファンタジー漫画『ヴァルツェル皇国記』の世界に、推しである準主人公・アロイスの姉(でも血の繋がりはなかった)になったことを思い出していた。
ちなみに、自分はキャラクターデザインもないような端役である。

――が、おかしい。

そう、この場面においてアロイスは。
『──そうか。俺しかいないのなら、仕方があるまい』
年齢にそぐわぬ諦念を浮かべながらそう言って、すんなりと公爵家へ戻ることを了承するはずだったのだ。

『私の推しは当て馬です! 転生して義弟を可愛がったらめちゃくちゃ執着されました』

実際は。
アロイスは公爵家には帰らない、と激しく抵抗している。

自分が推しの台詞を間違えるわけがない。と、首を傾げていると、原作ではアロイスは引き取られたフォルスター伯爵家でも冷遇されていたことも思い出した。

知らなかったこととはいえ、アロイスをめちゃくちゃ可愛がってしまった……!
 
既に原作を逸脱してしまった。
もう元に戻すことは不可能なほどに。

しかも、原作のアロイスは、友人であるルトガー皇太子の婚約者ローゼに密かに思いを寄せるも、戦争で命を落とす当て馬的な存在。

「それなら物語を、私の考える最高の結末に変えてしまえばいいんじゃない?」

『私の推しは当て馬です! 転生して義弟を可愛がったらめちゃくちゃ執着されました』

ローズマリーだって、モラハラ男のルトガー皇太子よりもアロイスとの方が幸せになれるはず!

すっと公爵家に行くことを拒んでいたアロイスが、父の「行きなさい」という言葉に動揺する。
公爵家から捨てられたように、また、この伯爵家からも捨てられるのか ――そんな不安を抱えていることがすぐにわかった。

そんなアロイスに父や兄たちが、公爵家へ行っても変わらず自分たちは家族であること、優秀なんだから小さな伯爵家の次男で終わってはいけない、と彼を慰めていた。

ユリアナも彼らに倣って声をかける。

「アロイス。なにがあったって、あなたはいつまでも、私の大切な自慢の弟よ」

『私の推しは当て馬です! 転生して義弟を可愛がったらめちゃくちゃ執着されました』

その瞬間。
アロイスの表情が一変し、険悪な雰囲気に変わった。

――え? 何か間違えたの?

※この作品はKindleUnlimitedで配信しています。
(2024-06-21現在)


私の好きなTL作家さんの作品

著者は クレイン
TL小説を多く執筆されてる作家さんです。人気作品『ヤンデレ魔法使いは石像の乙女しか愛せない 魔女は愛弟子の熱い口づけでとける』も含め、コミカライズされている作品もあります。 

※この作品はKindleUnlimitedで配信しています。(2024-06-21現在)

その他、読んで面白かった作品はこちら。

出版社は メディアソフト

掲載誌・レーベルは ガブリエラブックス

発売は 2020年08月
既刊1巻。完結済。
現在、藤城ゆうき作画でコミカライズ版が連載中。


クレインさんお得意のヤンデレヒーローが良い。

もう、好みの問題なのかもしれない。

ストーリーはタイトル通りのある意味定番スタイル。
しかし、クレインさんのヒーローってヤンデレ系が多くて、これがまた魅力的なんだよね。

決してヤンデレ好きなわけではないんだけれど。
魅力的だけど不器用っぽいとこがハマるのかなぁ。

この作品のアロイスも容姿も才能も地位も揃ってはいるんだけど、ユリアナにだけはどうしても上手くいかない。
(これは、ユリアナにも問題があるんだけど)

ユリアナも型にはまらない、自由奔放な性格で、アロイスが惹かれるのがよくわかるし、ストーリーの行き着く先はわかっていても、楽しく読める作品でした。

コミカライズも、ほぼクライマックスに入っていてあと数話で完結じゃないかな?

KindleUnlimitedで読める作品なので、契約される方は是非、読んでみてください!



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