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共に世界の果てまで行こうじゃないか|漫画『皇帝と女騎士』
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エハスという国の、クレンベル地方にいる貴族の娘・ポリアナは、ドレスを脱がされ、髪を切られ、剣一本を持たされて軍隊に放り込まれた。
全ては、父が前妻の娘であるポリアナではなく、後妻の娘である妹を後継にする為。
家族はポリアナが戦死することを願っていたのだ
家にも帰れず、ポリアナは剣と戦術を学んだ。
「何があっても生き残りなさい それがおまえにできる親への復讐だ」
そして、13歳になったポリアナは兵士の1人として戦場へと赴いた。
しかし、そこは母国エハスとククーダが繰り返し戦闘をしている場所。
長い戦争で両国とも徐々に衰退し。
6度目の冬を迎えても、終戦の兆しは見えず。
ポリアナは何の先も見えないまま、小隊長になっていた。
そして、ポリアナは無理矢理もぎ取った休暇で集めた情報で、アクレアの新王・ルクソス一世が戦争を仕掛けてくる可能性を知る。
戦場に戻ったポリアナは、すぐにそれを大隊長に知らせるが、大隊長も、その周りの者たちもククーダとの戦いにばかり目を向けて話を取り合ってくれない。そればかりか。
ポリアナは、小隊長の座を剥奪され、平騎士に降格されてしまう。
「これだから女は」
しかし、大隊長たちの予想は外れる。
エハスとククーダが交戦しようとしていた正にその時。
「アクレア軍だ!」
「逃げろ!罠だ!」
「アクレア軍が潜伏していた!」
突然襲ってきたアクレア軍に、エハス軍はククーダ軍もろとも一網打尽にされてしまった。
僅かな部下を連れて戦場から逃げ出したポリアナだが。
すぐにアクレア軍に掴まってしまうのは目に見えていた。
そして、自分を囮に部下を逃がし、ポリアナは1人アクレア軍に捕まった。
ポリアナの望みはただ1つ。
この先の見えない人生を終わらせること。
騎士として、騎士のまま死ぬことだった。
しかし、目の前にいる恐ろしく美しい顔をしたアクレアの新王・ルクソス一世はポリアナ想像していなかったことを口にする。
「俺の騎士になってくれ」
それは、これだから女は、と蔑まれ続けたポリアナが今での努力を初めて認められた瞬間だった。
ポリアナは、ルクソス一世の前に歩み出る。
剣を、とつぶやきながら。
周りにいる兵士たちが一斉に身構える。
「誰でもいいから 私に剣を!」
しかし、剣を差し出す者は誰もなく。
唯一、目の前にいたルクソス一世が差し出した剣を受け取り、ポリアナはその剣を地に突き立て跪いた。
「私 ポリアナはアクレア王に忠誠を誓います」
そして、ポリアナは。
自分を捨てた家族の名前を捨て。
女だからと何も聞き入れてくれなかった国を捨て。
新たに与えられた名前、ポリアナ・ウィンターとして新たな人生を歩み始めた。
ピッコマ掲載の韓国漫画
作者は Team IYAK (winter・heyum)
原作は G.M
こちらは、韓国の漫画になるので日本語での作者情報は得ることが出来ませんでした。
出版社は Piccomics
掲載誌・レーベルは piccomics
発売は 2021年03月
既刊3巻 ピッコマでの連載は完結済。
便宜上、Amazonでの書籍情報を載せていますが、ことらはピッコマでの連載を読むことをお勧めします。
ピッコマでの連載は縦スクロールで文字も縦書きですが、書籍版はコマを割って、文字は横書きになっています。
誰か私に剣を!
女騎士モノ、というのは結構ありますが。
この作品が他の作品と一線を画しているのが。
とりあえず、主人公のポリアナが可愛く描かれていないこと!
潔い。
タイトルから推測できる通り、ラブストーリーの路線へと行くには行くのですが。
ラブストーリーかなぁ。どっちかというとポリアナの成長譚な気もする。
家族から捨てられ、兵士になってからも女だからと認められず、アクレア軍に捕まり、武装を解かれて。
ルクソス一世に忠誠を誓った時のポリアナは、本当に何も持ってなくて。
そんなポリアナが、様々なことを経て沢山のものを手に入れていくんです。
正直、最初、タイトルから最終的に皇帝(ルクソス一世)に見初められてめでたしめでたし的なストーリーかなー、と思っていたのですが。
浅はかだったな! と思える結末でした。
後半、冒頭のようにポリアナがルクソス一世に忠誠を誓うシーンでは。
「剣を貸してください 私に剣を――」
そう言ったポリアナの目の前に広がった光景が。
彼女は、何もないところから、色々なものを手に入れたんだな、と実感出来て。
更に後日譚では、彼女が元で変わったことが。
他の人の幸せにも繋がっているんだろう、と思えるシーンがあったりして。
とても、良い作品でした。
連載終わっちゃうの寂しいなー。
ピッコマで漫画を読むきっかけになった作品なので、もう少し後日譚とか読みたかったな。
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