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…悪くは ないんだよなあ|BL漫画『よそはよそ、ウチはウチ』


再婚した母が義父の海外赴任について行ったのは数ヶ月前。

大学進学を機に家を出ていた主人公・史央(フミ)と、高校の寮に入ることにした弟・千裕は日本に居残ることに。

近くにいるから頼ったらいいよ、と義父の弟・長塚昂之を紹介されたが。

長塚昂之 35歳独身 商社勤めのサラリーマン
ちょっと稼ぎはいいらしいけど
彼女いない歴 約半年
そんなオッサンの メシだの洗濯だのの家事を
何というか 成り行きで 俺が請け負っています

『よそはよそ、ウチはウチ』第1巻

フミは母子家庭が長かった為に、家事全般が得意。
対して、叔父・昂之は洗濯物は裏返し、ゴミ捨てもいい加減。

(バイト代はもらってるものの)都合好く乗っかられてるのは、俺のほうなんじゃ…?

叔父の横柄さに不満はあるものの、

家族の誰かが 「おかえりなさい」を言う役をやるもんだと思ってた

『よそはよそ、ウチはウチ』第1巻

それは幼い頃、働きはじめた母親の為にはじめたこと。
叔父は厳密には“家族”ではないが、その辺の経験が相まって必要以上に世話を焼いてしまう。

一方、叔父の昂之も

いろいろやってくれるのは楽だが正直やりすぎだ うっとおしい
そもそも なんで俺も出入り許可なんか しちまったんだか

『よそはよそ、ウチはウチ』第1巻

言うことは小姑くさい。
帰れば母親か嫁かのように、いちいち小言を言う。

だけど

「あした何か食べたい物ある?」

『よそはよそ、ウチはウチ』第1巻

そう聞かれる生活は、何となく、悪くない。

たまに、噛み合わないことも多々あるけど。
だんだんと2人の生活が居心地の良くなっていく……

義理の叔父×甥のラブコメディ。


イラストも多く手掛けるBL作家さんの作品

著者は 北上れん
BL作品を中心に活動されている作家さんです。
個人的には漫画よりも小説のイラストの方が印象的な作家さんでもあります。

かわい有美子さんの『甘い水』とか良かったなぁ。

出版社は リブレ

掲載誌・レーベルは ビーボーイコミックスデラックス

発売は 2015年04月
既刊2巻。完結済。


とりあえず、無事完結したことに感動

そりゃね。構図としては、家事全般が得意な奥さんと、ハイスペな旦那さん、ってBL作品じゃなきゃ心の琴線に箸にも棒にもかからない内容ではあるのよ(何かわからない表現になった)。

でも、一緒に生活していてだんだんと……って展開はやっぱり良い。
出会って●秒で……って作品よりも、じっくり関係を深めていく作品の方が面白い。
そりゃ、BLって基本、女性向けのファンタジーだからね。

で、2015年にね、1巻を読んだのよ。
面白かったな、って。

2巻が出たのがね。
この前(2023年8月8日)なのよ!!

もう終わらないかと思ってた!
この作品の何が感動、って「もうダメだ」って思ってた作品が完結したってことよ!!
7月に新刊確認してて、このタイトル見たときリアルに声をあげて驚いたからね!
(で、次に違う作品かも……と確認しまくった)

1巻はBLのような〜、な、作品でしたが、2巻は完結巻ということもあって、BL作品らしく終わってます。

基本的にはフミと叔父さんの新婚家庭みたいな雰囲気を楽しむ作品ではありますが。

2巻は寛容なんだか、無関心なんだかわからない弟・千裕の存在が良かったです。

「せっかく上手いこといったんだからさ
余計なこと考えないで ありがたーく幸せになっときなよ」

『よそはよそ、ウチはウチ』第2巻

思うことがないわけじゃないけど、と言いながらも、このセリフは素敵でした。

叔父さん、恋愛対象じゃない、もう一人の甥には結構ドライなのね。(むしろ血の繋がらない叔父と甥なら適切な距離)

完結したので、安心しておすすめできる作品です。


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