――全て私の狙い通りに｜漫画『悪役令嬢の矜持~婚約者を奪い取って義姉を追い出した私は、どうやら今から破滅するようです。~』
ねぇお義姉様はどんな気分
エルネスト伯爵家には同じ歳の腹違いの姉妹がいた。
前妻の娘、姉のイオーラは不健康で枝毛だらけの髪。後妻の娘、妹のウェルミィは男好きのする美貌を持っていた。
私を恨んで心底憎んでくれればいい
伯爵夫妻は妹のウェルミィだけを可愛がり、ウェルミィも両親と同じように姉のイオーラを虐げた。
内心 はらわた煮えくり返っていたら最高だ
イオーラは召使いのように働かされ、家族と同じ食卓につくことすら許されなかった。
卒業パーティーの日。
イオーラの婚約者であった伯爵子息は婚約破棄を言い渡し、ウェルミィと婚約すると皆の前で宣言した。
その半月後。イオーラは新たな婚約者 ――女嫌い社交嫌いで有名なエイデス・オルミラージュ侯爵のもとへと売られていくことになる。
そして。
イオーラの婚約披露を兼ねた夜会で、美しく着飾った姉妹は再び顔を合わせた。
「貴様ら一家の悪行は全て調べを終えている」
「お前達の罪を 一つ一つ暴いてやるとしよう」
そう言って、ウェルミィに歩み寄るオルミラージュ侯爵。
断罪だ
対するウェルミィは驚いた顔を扇で隠しながら。
これから断罪が始まるのだ
私達がイオーラお義姉様にしてきたこと 全てを
――その口元は笑っていた。
――全て私の狙い通りに
『お局令嬢と朱夏の季節 ～冷徹宰相様のお飾りの妻になったはずが、溺愛されています～』も面白かったから！
著者は 星樹スズカ
配信作品は本作の他、BL作品が1作品ありました。
その他、MVのイラスト等も描かれているようです。
原作は メアリー=ドゥ
ほんっっとに『お局令嬢と朱夏の季節 ～冷徹宰相様のお飾りの妻になったはずが、溺愛されています～』が面白かった。
小説の感想はこちら。
コミカライズ版の感想はこちら。
で、それなら面白いでしょう！ ってな訳で本作です。定番の出だしから、思わぬ方向にハンドルをきる作家さんでストーリーの構成やテーマが面白い。
出版社は スクウェア・エニックス
掲載誌・レーベルは マンガUP！
発売 2024年03月
既刊2巻。連載中。
私は騙されないわよ！
虐げられていた姉と、傲慢な妹。
そして捨てられた姉は婚約破棄をした婚約者よりも高位な新しい婚約者に愛されて、自分を虐げてきた妹や家族を断罪する……
ってキタキタキター！！
な、展開からのスタート。
ただ、ずっとノイズのように入り込むウェルミィのモノローグが、これはウェルミィ自身が望んだ筋書きだってことを物語っている。
全ては、大好きな義姉・イオーラを救うために。
このウェルミィの危うい策略が、グイグイ読ませてくれます。
ってか、このコミカライズを担当している星樹スズカさんの描くウェルミィのモノローグと表情がすごく良い！
カッコいいのよ、ウェルミィが。
悪役令嬢を演じ続けて、自ら破滅へと向かいながらも、イオーラを救うための手札を必死で探して。
傲慢に嘲笑いながら、冷めた眼をしているウェルミィが。
でも、これでザマァで終わらないのがメアリー=ドゥさんの作品だと思うのよね。
これは多分まだプロローグ。
ここからどこへ舵をきるのかまだわからないストーリーに、ものすごくワクワクしちゃいます。
あー、原作小説読んじゃおうかな！！
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