一人で生きられるからこそ、二人で。|ライトノベル『オタク同僚と偽装結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど!』
主人公・相沢咲月は、社内ではクールで美人と評判の文房具デザイナー。
しかし、その正体(?)は、壁サー(※壁サークル。コミケ等で在庫を大量に置ける壁側に配置される人気サークルの意味)の同人作家。
副業が可能で、定時で帰れる。
それが、彼女がこの会社を選んだ最大の理由だ。
本当にギリギリで新刊を出すことが出来た咲月は、売り子をしてくれるワラビちゃんと冬コミの会場に来ていた。
次に参加するのは、また次の冬。
夏コミは実家の旅館を手伝わなければならない為、参加できないのだ。
気が重いのは、気の合わない家族に会わなければならないからだけではない。
結婚の親からの催促だ。
周りで結婚して幸せそうにしている例を見たことがないから、結婚に希望も持てない。
そう咲月が呟いたその時。
彼女の目の前に、ド派手なTシャツにダボダボパンツ、大きなカメラをぶら下げて持ち、帽子深く被った男性が近づいてきた。
男性に咲月が声をかけたが、男性はそのまま咲月の前で膝をつき驚くことを言った。
変質者だ!
と思ったのも束の間、咲月はその男性に見覚えがある。
親にカモフラージュする為に。
同僚であり、オタク仲間であり、シェアハウスのような結婚生活。
一人で生きられるからこそ、一緒になる二人の契約結婚から始まるストーリー。
カクヨム? 小説家になろう?
著者は コイル
本作の他に、男性向けライトノベルや、小説など、多ジャンルの作品を発表している作家さんです。
本作はネットに発表していた作品の書籍化のようですが、メインの掲載が、カクヨムか小説家になろうかはわかりませんでした。
出版社 KADOKAWA
掲載誌・レーベル 電撃の新文芸
発売は 2021年06月
既刊3巻。2巻までKindleUnlimitedで配信中(2024-02-27現在)。完結済。
七十ななそ作画でコミカライズ版も進行中。
既刊2巻。連載中。
滝本さんの推しているアイドルのストーリーも良い
こんな結婚生活楽しいだろうなー。
って思わずほっこり読んでしまう作品。
都内の会社で生活していながら、少し田舎の一軒家でのんびり暮らす……正に理想的。
って、実際そんな生活していたら「不便だわ!!!」って文句言うんだろうけど(笑)。
しかし、そこはファンタジー。
こんな生活してみたい。
そしてさ。
オタク同僚である滝本さんが、何気にハイスペックなのよ。
気遣いも、家事やその他諸々のスキルもパーフェクト。
たまにオタクが過ぎてテンション上がり過ぎちゃうのはご愛嬌。
この、自分一人の生活で困らない二人が、一緒に住むところから始めて、段々と仲が深まっていくのがこの作品のメインストーリー。
なんだけど、私はそれに平行して滝本さんが推している地下アイドル「デザロズ」のストーリーがとても良かったです。
私自身は地下アイドルにハマったことはないので、この辺のストーリーがリアルなのか否なのかはわからないのですが。
ファンとアイドルが一緒になって頑張って、それが色々な縁に繋がって……
「ただいま、私の一番星」
ってところで、感動しちゃいました。
良い。
良いよね。
この瞬間の為に、ここにいるんだよね。
ずっとその時間が続くわけではないし。
いつかは離れなければならない時は、来るんだけども。
その一瞬の為に存在している。
たとえ、それが過去になっても。
KindleUnlimitedで1、2巻が読めますので、契約している方は是非! 読んでみてください。
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