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そして、だからこそ わかり合えない。|漫画『葬送のフリーレン』第11巻

10年の旅の末、魔王を倒した勇者一行。
旅は終わり。
パーティーは解散し、エルフ族のフリーレンは、1人で再び旅に出た。

50年後。約束の流星群を再び見るために仲間の元へ帰ってきたフリーレンは年老いたかつての仲間に再開する。

そして、流星群を見る約束を果たした後、仲間だった勇者ヒンメルはこの世を去った。

彼の葬儀の日。
フリーレンは彼との旅を思い出しながら、人間の寿命が短いとわかっていたのに、何故、もっと知ろうとしなかったのか、と後悔する。

長寿種であるフリーレンにとっては、人間は、長い人生の中で、ほんの少ししか一緒にはいられない存在。

それでも、フリーレンはヒンメルの死をきっかけに人間をもっと知る旅に出た。

これまでの感想はこちら。

黄金郷編の続き。

万物を黄金に変える魔法の解除に成功し、

「黄金郷さえも元に戻せる」

『葬送のフリーレン』第11巻

と豪語したフリーレン。
故郷を黄金郷に変えられたデンケンと共に、“人類の敵”であるマハト、そして、大魔族ソリテールと、最後の対決に挑む。


そこはファンタジーだから、とならないのがフリーレン。

アニメも好調ですね。

私も、最新話までは配信で見ています。

ずっと原作が黄金郷編だったので、そう言えばそんな話だったな……とおさらいしてる感がハンパないですが。(前半は一気読みしたので所々抜けてた)

そして、アニメ版見て思ったけど。

ヒンメル、思ってたよりフリーレン好きじゃん。
岡本信彦さんの演技を聞いて、原作を読んだ時の印象よりも度合が強いな、というか。

確かにヒンメルがフリーレンに与えた影響は大きいんだけど、だからと言って、彼らが共に生きる選択肢はない。

だからこそ、一定の距離があったように思うんだけど。
「思ってたのと違う!」というよりは、「そうなら色々解釈変わってくるな」って感じ。

声優さんの演技で作品の解釈が変わる経験は初めてなので、新鮮です。

そこへ、今回の黄金郷編のラスト。
人類との共存を望んだ魔族のマハトをフリーレンは“人類の敵”と呼ぶ。

フリーレンは人類との共存を望んだのはマハトが“2人目”だと言い、1人目は魔王だったと言った。

「お前が共存を望めば望むほど、お前の手で多くの人が殺される。」

『葬送のフリーレン』第11巻

それでもいずれ人間を理解できれば、共存の道が開かれるのでは、と答えるマハトにフリーレンは

「そう。それであと何人殺せば理解できるの?」

『葬送のフリーレン』第11巻

と、問いかけ、マハトの願いの行き着く先は人類の滅亡だと告げた。

ファンタジーだからこそ、「そしてみんな、仲良く暮らしました」でも良い気がするけれど、そこをそう決着つけないところが、『葬送のフリーレン』の残酷さでもあり、リアリティであり、面白いところなんだろうけど。

望んでも、わかり合うことはなく、互いを傷つけるだけに終わる。

わかりあうことはない。

それは、魔族のマハトだけではなく、エルフのフリーレンも同じなのではないだろうか。

あれは本当にマハトにだけに言った言葉なんだろうか。

もう一度ヒンメルと話すことが出来たら、フリーレンは少し違う答えを得られるのだろうか。

と、思っていたら今回の最後、かなり気になる終わり方した!
えええっ?! この後どうなるの?!


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