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唯一わかったとすれば、心臓はこの人に反応しているということ|漫画『私たちが恋する理由』


森田葵は背が高い。
そのことで、いい思い出はなく、大人になった今ではいちいちその事に対して反応しないようにもしていた。

その日も、先輩である黒澤の荷物の運搬の手伝いをしていた葵は、嫌われ者の次長から、「きみデカいなぁ?」「黒澤と変わらないんのじゃない?」「かかとのある靴履かないの?」と、心無い言葉を言われる。

「まぁ、きみみたいな大きい娘にあんなの履かれたら 俺たちなんか見下されちゃうな黒澤?」

『私たちが恋する理由』第1巻

不快には思いながらも、聞き流そうとした葵。
しかし、いつも何を考えているかわからない黒澤から出たのは意外な言葉だった。

「わたしは見下されてもかまいませんが?
男だからとか 女だからとか 仕事に不必要な競争心を持たないところが うちの森田の素晴らしい点で  森田は仕事の別なく快く引き受けて動いてくれるんです」

『私たちが恋する理由』第1巻

ついでに「口ばかり動いて 他人の粗探しして 動かない男っているでしょう?」と嫌味まで付け加えて。

今まで、顔の怖い、何考えているかわからない黒澤の意外な言葉の数々に揺さぶられる葵。

この動揺が、何なのかもよくわからない。

唯一わかったとすれば――
心臓はこの人に反応しているということ

『私たちが恋する理由』第1巻

人気イラストレーターによる本格派ラブストーリー

著者は ma2
マツ、と読むそうです。

(特にスーツ姿の男性が絶品な)イラストレーターとして活躍されていました。
他の著作に、イラスト集として『サラリーマンイラストブック』

こちらは完結作品ですが、コメディタッチの『目の毒すぎる職場のふたり』も面白かったです。

出版社は 祥伝社

掲載誌・レーベルは FEEL YOUNG

発売は 2021年04月
既刊4巻。連載中。


どのカップルも面白い!オムニバス形式のラブストーリー

もーね、趣味の世界ですよ。
スーツ好きにとって、ma2さんのオフィスラブものは、もう、最高の一言なワケですよ。

そもそも、イラストレーターさんなだけに見せ場の絵の綺麗さか秀逸。

特に、飄々としてて、どこか抜けてて、お色気たっぷりの黒澤さんの見せ場の絵はたまりません。

とはいえ、現在最新刊の4巻とか、それぞれ落ち着くとこ落ち着いてきたので、あまりスーツ姿が拝めないのは残念なとこなんですけど(いや、年末年始ネタが多かったから?)。

この作品は、あらすじで紹介した、葵と黒澤の話だけではなく、他、3〜4組のカップルのお話が順番に出てくるオムニバス作品です。

大体、1巻に各カップル1話ずつくらい進む感じ。

他カップルでは、マッチョ好きで小柄な外見とは反対に性格は男前の小津さんと、身体は大柄でマッチョだけど性格は少し臆病な大島さんのカップルとかも面白い。

少し癖はあるけど、どこか共感の出来るキャラクターたちが繰り広げるラブストーリーがたまらない作品です。




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