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受賞者インタビュー

――改めまして、受賞おめでとうございます。
今のお気持ちなどを伺ってもよろしいでしょうか?
ありがとうございます。嬉しい気持ちでいっぱいです。今の生活がガラッと変わるような何かを求めている自分がいまして、宝くじなんかも定期的に買ってるんですが、今回の作品も同じような感覚で応募しました。当たればいっかー、受賞できたらいっかーくらいの感覚で。でも、実際に受賞してみると宝くじが当たるよりも嬉しいもんですね。宝くじはピャッと買うだけなので軽い気持ちでやってますけども、受賞するにはまず小説を書かなければなりません。今回の作品は1ヶ月半ほどで書き上げて、それから3週間ほど推敲してましたので、トータルで2ヶ月弱は作品と向き合ってきたわけです。推敲時には何度も読み返したので、その分やはり愛着があります。宝くじで一億円当たったのと同じくらい価値があると思ってます。宝くじ当たったことないですけどね。


――受賞の連絡を受けたとき、どこでどんなことをしていましたか? そして、どんな気持ちでしたか?
私が主催する読書会文芸部の皆さんと飲み会を開いていました。スマホが鳴るのを今か今かと待ちながら飲むうちにベロンベロンに酔っ払ってしまいまして。連絡を受けたときには意識が朦朧としていました。


――小説を書き始めたのは、いつ頃ですか? そのきっかけは何ですか?
高校時代にネット小説が流行りまして、同級生が連載形式で投稿していたんです。クラスメイトや先生をモデルにして書かれたもので身内ネタでしたけど、それが面白くて面白くて。私も書きたい!となって書き始めました。当時はほとんど読書をしていなかったので起承転結の起の字も知らず、思いついたシーンばかりを書くだけで完結させることは出来ませんでした。それから小説の書き方を学ぶ学校に行って、某作家の弟子入りもしたのですが、色んな理由から辞めざるを得なくなり、社会人となってからは一切書かなくなってました。
再び書き始めたのはほんの数年前です。本好きな方が集まっておしゃべりをする会、彩ふ読書会というコミュニティを主催してるんですが、そこの参加者有志と文芸活動を始めたのがきっかけでした。


――受賞作のアイデアは何から着想を得たのでしょうか?
私が今書けるテーマは何だろう、というところから始めました。
就職活動のときって、エントリーシートとか書いて、企業に自分自身を売り込むわけじゃないですか。私にとって、今回の応募作は出版社さんに送るエントリーシートのようなものだと考えました。「受賞後もこんなテーマで書けますよ」とアピールする気持ちで、子育て世代から見た社会問題、家族問題、障害福祉の実状、人間関係の悩み、仕事の悩み、読書の良さなどをダイジェスト版で盛り込んでます。ダイジェスト版なので、一つ一つのテーマを掘り下げてはいなくって、今作においては様々な問題提起を行った、というところでしょうか。


――先ほど「今の生活がガラッと変わるような何かを求めている自分」と仰っておられましたが、どうしてそう思われたのでしょうか?
今の生活に不満があるわけではないんですが、ちょっと踏み込んでいきたいところはあるんですよね。先ほどの話にも繋がるんですが、私の周囲には気になる人たちが沢山いまして。その方々に取材をしてリアルに近い虚構を書きたい気持ちがあります。といっても今の私ではなかなか踏み込んでいくことは出来ません。何こいつってなりますからね。逆にいうと今の自分ではダイジェスト版しか書けなかったところもあります。踏み込んで取材して深堀りしていくためにも「受賞作家」という肩書きが欲しかったところがあります。


――ちなみに宝くじが当たったらどのような生活を送りますか?
お金を湯水のごとく使う生活を送ります。


――ご自身はどんな性格だと思いますか?
楽観的なところがありまして、嫌なことがあっても寝たらだいたい忘れてしまいます。でもふとした時に思い出しちゃうんですよね。蓋をしてるけど何かの拍子に開いちゃうみたいな。底に残ってはいるんでしょう。それらが溜まって混ざり合って黒くドロドロとしたものを、「文章を書く」という形で昇華させていけるようになりました。文章を書くと自分を見つめ直すきっかけになるんですよね。
締め切りには絶対に間に合わせないといけないと思う性格でして、質を下げてでも期日は間に合わせようとするところがあります。あと有言実行タイプですね。今回応募するにあたってはその性格を利用しました。SNSで応募する宣言をして、これで引き下がれないぞ、というプレッシャーを自分に与えて。それが心地良かったですね。


――執筆時に苦労したことを教えてください。
応募規定をクリアすることが、まず苦労したことでした。原稿用紙換算で100〜400枚が応募規定となってますが、100枚以上書いて完結させた経験がなかったからです。短編はいくつか書いてきましたが、100枚も書けるだろうかと。でも、100枚なら行けるかも、という気持ちもありました。200〜400枚とかだったら書く前から心が折れてたと思います。これもSNSで「原稿用紙換算でここまで書けた」と発信することで、自身を奮い立たせつつ楽しみつつ書いていけた感じです。いいねをいただけることが励みになりました。
100枚以上となると短期間で一気に書くことは出来ず、そこも苦労した点ですね。先にプロットを作らずに勢いで書いていたので、単純に主人公って「私」だっけ「わたし」だっけとか、この人物は「俺」だっけ「僕」だったっけと、自分自身でもわからなくなるところがありました。かといって読み返してしまうと多分書いては消してを繰り返してしまって先に進まない気がしたので、とにかく走り切ってみた感じです。場面転換毎に10個に分けてみたのは、手が止まらずに進めることができたので良かったかなと思います。
あと途中からは意識しなくなってましたが、最初は選考委員の方の顔が浮かんでしまって苦労しました。選考委員の方に合わせる必要があるのか?みたいな。特に今回の賞には私の好きな作家さんも選考委員におられまして、最終選考まで残ったら読んでいただけるわけです。嬉しい反面、プレッシャーにもなりました。


――今後、書いてみたい作品などありますか?
今作はダイジェスト版ですので、一つ一つのテーマを深掘りしたものを書いてみたいですね。子育て問題、家族、障害福祉、人間関係、仕事、読書あたりでしょうか。あとはファンタジーや異世界もの、ミステリーなど書いたことのないジャンルにも挑戦してみたいです。どれだけ書けるのか、まだまだ発展途上ですので。


――読者には作品のどんなところを楽しんでほしいですか? 作品のアピールポイントなどを教えてください。
ポンポンポンとテンポ良く読み進めれるように意識して書きましたので、じっくりゆっくり読むというよりかは、ジェットコースターに乗るような感覚でお楽しみいただければ幸いです。


――第37回妄想文学賞受賞者の、のののさんでした。インタビュアーはのののでお送りしました。ありがとうございました。最後に読者の皆さんへメッセージをお願いします。
3月末の文藝賞に応募予定なんですが、無事に初稿ができましたので、少しばかりふざけてみました。私の妄想にお付き合いくださり、ありがとうございました!実際に受賞してインタビュー受けたらこんなスマートに回答できる自信は全く持ってありませんね!!


これまでの執筆状況についてはこちらです。


文芸部用のX(旧 Twitter)アカウントも作ってまして、そちらで執筆状況について報告もしています。こんな感じです。良ければフォローお願いいたします。


1月下旬から執筆を開始して、3月3日に初稿ができました。1ヶ月弱で100枚弱書けた計算ですね。当初から書きたいと思っていた部分は無事に書けましたが、いくつかの入れたかったシーンは流れ上入れれなかったりもしました。今は書き終えたばかりで冷静には読み返せないので、一週間ほど寝かしてから推敲に移ろうかと思っています。読書会の準備とか、仕事とか諸々後回しにしてきたこともありますからね!!しかし忙しい年度末によく書いたもんだ……。

あとは推敲して応募するだけですので、進捗報告としては一旦ここで終わります。次はだいぶ先となりますが、一次通過したか落選したかの報告ですかね!!

お読みくださった方々、Xでチェックしてくださっていた方々、本当に励みになって書くことが出来ていました。改めて、ありがとうございました。

以上、ご報告でした。

では!!

ここまでお読みいただきありがとうございます。宜しければご支援よろしくお願いいたします!